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グロービス 鎌田 英治氏、林 恭子氏 インタビュー

グロービス 鎌田 英治氏、林 恭子氏 インタビュー

鎌田 英治
北海道大学経済学部卒業。コロンビア大学CSEP(Columbia Senior Executive Program)修了。
日本長期信用銀行から1999年グロービスに転ずる。長銀では法人営業(成長支援および構造改革支援)、システム企画部(全社業務プロセスの再構築)、人事部などを経て、長銀信託銀行の営業部長としてマネジメント全般を担う。グロービスでは、人事責任者(マネジング・ディレクター)、名古屋オフィス代表、企業研修部門カンパニー・プレジデント、グループ経営管理本部長を経て、現在はChief Leadership Officer(CLO)兼コーポレート・エデュケーション部門マネジング・ディレクター。 講師としては、グロービス経営大学院および顧客企業向け研修にてリーダーシップのクラスを担当する。著書に『自問力のリーダーシップ』(ダイヤモンド社)がある。経済同友会会員。


林 恭子
筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程前期修了(MBA)。
米系電子機器メーカーのモトローラで、半導体、及び携帯電話端末のOEMに携わった後、ボストン・コンサルティング・グループへ。人事担当リーダーとしてコンサルタントの採用、能力開発、リテンション・プログラム開発、ウィメンズ・イニシアチブ・コミッティ委員等、幅広く人材マネジメントを担当する。グロービスでは、人材・組織に関わる研究や教育プログラムの開発を担当した後、経営管理全般を統括。またリーダーシップ、人材マネジメント、ダイバーシティマネジメント、キャリア開発、パワーと影響力等の領域を中心に、グロービス経営大学院での講義、および、企業研修、講演などを多数務める。共著書に『【新版】グロービスMBAリーダーシップ 』(ダイヤモンド社)、『「変革型人事」入門』(労務行政)、『女性プロフェッショナルたちから学ぶキャリア形成』(ナカニシヤ出版)がある。経済同友会会員。組織学会、産業・組織心理学会、及び経営行動科学学会員。

グロービスが目指しているものとは何か?

ヒト、カネ、チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行うこと

movin:

本日はお時間をいただきありがとうございます。まずはじめに、グロービスがどういう会社なのかをお聞かせいただけますか?

林様:

グロービスを表すキーワードは、「創造と変革」です。我々は、経営に関する「ヒト」、「カネ」、「チエ」の生態系を創り社会の創造と変革を行うことをミッションとして、1992年に創業しました。今年で23年目を迎えます。
時代が変わればビジネスを取り巻く環境も変わります。一度できたパラダイムが大きく変わることも多いですよね。そんな大きな変化に面しても、強く存続できる社会であるためには何が必要なのか、それを徹底的に考えた結果、どんな環境であっても、それこそ色の3原色のように、「ヒト」「カネ」「チエ」の3要素が柱としてしっかりしていさえすれば、その配合を時代に合わせ変えるだけで、新しいものを創造できたり、社会を変革したりすることができる。そんな強い社会を創っていくことを目標にしている会社です。

movin:

非常にユニークなビジネスモデルですね。ヒト、カネ、チエではそれぞれ具体的にはどのような事業を行っているのですか?

林様:

「ヒト」は、人材を輩出することです。個人を強くするということでは経営大学院の運営を、企業を強くするということでは組織開発や企業研修を通じた企業内リーダーの育成を行っています。経営大学院では今年の入学者数は700名を超え、日本で最大規模の社会人向け経営大学院となりました。
「カネ」はベンチャー企業への投資です。グロービスはグループ内にベンチャーキャピタルを持っていまして、独立系のハンズオン型では日本最大のベンチャーキャピタルです。「チエ」は、知の発信です。蓄積された数多くの成果をもとに、あらゆる分野の「経営の知」を書籍やWEB・アプリ等を通じて世の中に送り出しています。「MBAシリーズ」の書籍は、発行部数145万部以上となり、おそらくビジネス書では最も売れている書籍のひとつではないかと思います。

movin:

グロービスといえば、経営大学院のイメージが強かったのですが、それ以外にも強い事業を多くお持ちなのですね。

林様:

はい。グロービス、イコール、MBAのイメージを強く持っていただいている方が多いのですが、実はそうなんです。

欧米のビジネススクールも、実はMBAだけではなく、企業向けのエグゼクティブ層を集めた集中合宿や、コンサルティング事業にもかなり力を入れており、そこで得られた知見を更に書籍や教材にして活用しています。また、世界トップクラスのビジネススクールには2つの形態があります。ひとつは、ハーバードのような元々の大学を母体としているもの。もうひとつは、スイスのIMDやフランスのINSEADのように、大学ではない組織から発展していったものです。後者は自組織の事業としての経営を非常に意識しており、グロービスも勿論後者になります。ビジネススクールイコール学校、そしてそこで働いているのは学校職員、という認識は、世界レベルで行くと全然違うんですよね。
さらに、グロービスにおいて、企業に向けたコンサルを始めた歴史は古く、創業2年目から、大手企業に対して組織開発コンサルティング事業をスタートしています。

movin:

創業2年目ですか!それはかなり・・・

林様:

チャレンジですよね(笑)。当時はまだビジネススクールとしても、マーケティング科目の1クラスを渋谷の貸し教室でスタートしたばかりでしたから。
それにもかかわらず、日本を代表する企業向けのコンサルティングを開始していたのです。
当時のメンバーは不眠不休だったと聞いています。まさにグロービスのベンチャー・スピリットを感じていただけるエピソードなのではないかと思います(笑)

グロービスのコンサルティング事業とは?

のべ1200社のクライアントとともに経営課題解決に挑む

movin:

創業2年目からということは・・・すでに20年を超す実績がおありなのですね。どのような企業に対して、どのようなコンサルティングを行っているか、是非具体的にお聞かせいただけますか?

鎌田様:

具体的に、ということですので、ここからは私からお話しさせていただきます。グロービスの法人部門は、花王様、トヨタ自動車様、イオン様、JTB様、味の素様、三井住友銀行様、といった日本を代表する大手企業をはじめ、のべ1200社の企業様のご支援をしています。
創業当初はマーケティング、論理思考、リーダーシップといったスキル系研修などのプロジェクトが多かったのですが、最近は次世代リーダーの輩出支援や、現役の経営者の能力開発のお手伝いさせて頂くことが増えてきています。

movin:

現役の経営者を対象とすることもあるのですか?

鎌田様:

そうですね。20年位前までの日本はリニア(直線的)に成長していた時代と言えるでしょう。そうした時代背景のもとで積んできた豊富な経験は将来にも確実に活きてきます。年功制というシステムも妥当な仕組みだった時代です。ところが、変化が激しい時代には、過去の成功経験がむしろ変化を妨げることにもなります。全く新しい発想でビジネスに向き合うことが強く求められているのです。意思決定をする立場のシニア・リーダー、組織の上層部は、現に起きている変化と将来の不確実性を受け止めた上で、更に自らが変化を創っていく思考・行動様式が求められています。経営リーダー達が徹底的に学び、自らを高めることで難しい時代のかじ取りにチャレンジしているということです。だからこそ我々も、経営者にとって最も求められる能力、資質は何かを考え続け、そこにチャレンジし続けているのです。実際「経営人材育成」、「経営理念の策定」「中期経営計画立案」等、その企業がまさに今抱えている経営課題(CEO's Agenda)を、「研修」等の人材育成の場を通して解決していく、といったタイプのプロジェクトが増えてきています。

movin:

経営課題解決に取り組むということですが、戦略コンサルティング・ファームとの違いはどんな点にあるのですか?

鎌田様:

「戦略」を主として扱うコンサルティング会社の提供価値は、「その企業がとるべきベストな戦略は何か?」を提言することです。つまり、戦略というアイディアそのものを届けることに、彼等の主たる役割があると言えるでしょう。しかし戦略があっても、実行できなければ絵に描いた餅、意味がありません。或いは当初描いた戦略も環境変化によって、当初想定とのGAPを生じ、戦略そのものを見直す必要が出てきます。ですが、描かれた戦略の背景にある前提や戦略の本質的な理解が無ければ、戦略の実行、軌道修正は難しいものです。実際に戦略を実行していくのはその企業の人材です。つまり、外部に戦略立案を委ね、きれいな戦略を買ってきても、実行部分のみが社員に委ねられている状況は心許ないと言わざるを得ません。変化の激しい時代には、戦略立案と実行、そして軌道修正の一体化の必要性がより一層高まっています。
一方、我々のビジネスは、企業の戦略を自ら考え、明日の戦略を創り実行できる人材の育成です。戦略という「今の答え」を教えるのではなく、「明日を創れる人を創る」というコンセプトです。ですから「能力開発・人材育成」のプロフェッショナルとして、どうすれば変化の時代を深く洞察でき、自社の未来価値をクリアに描き、実現の為の戦略を練り上げ、仲間を巻き込んで実行を推進できる能力を開発できるのか?方法論へ落とし込めるかどうかが問われます。相手となる受講者は、選抜されたエース級の人材や、現役の経営者、つまりキャリアを積んだ方々です。そういった方に新しい能力開発を促し、ある意味での自己変革の背中を押すのは容易ではありません。我々自身も、世の中の変化と経営の未来に目を向けて知を磨く必要があるし、経験豊富なビジネスリーダーの「学びの深化」と「行動変容」をサポートするに足る「人間理解」を深めていくことが欠かせないのです。こうした日々のアップデート、我々自身の自己成長もこの仕事に携わることの醍醐味と言えますね。

movin:

まさに、人材育成を通して企業の変革を実行しているという感じですね。

鎌田様:

もちろん人材育成は、「ビジネス・プロセスの入れ替え」などハードの施策に比べ、目に見える成果を得るのに時間もかかるものです。しかし、我々のプログラムを受けた「人材」は高い当事者意識をもって、その企業の自律的な変革を牽引していきます。元に戻ってしまうことは無く、必ず前に進んでいるという手ごたえを感じます。これは、我々の仕事の醍醐味ですし、企業の変革を通して、社会に創造と変革を導いていくことが我々の存在意義だと自負しています。

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