人材マネジメント・人事システムについて 組織人事コンサルタント転職コラム

戦後、日本企業の人事システムは、企業別組合・終身雇用・年功制(日本的経営ににおける三種の神器)を大きな特徴としながら、その基盤を確立しました。
その後、経営環境や組織人事構成の変化に応じ、ベースにある年功原理を維持しながら、職能資格制度、専門職制度の導入による修正が行われてきました。

しかしこれは既存のシステムの枠内での変更にすぎず、情報化の進展、市場リスクの増大などに直面している現在、日本企業は抜本的な人事制度改革を迫られています。

人は企業の資産であり、その資産をどれだけ効果的に生かしていくかによって企業の競争力も変わってきます。「人事システム」を考えることは、すなわち資産としての人を生かす方法を考えることです。
人事システムは基本的に、


1.採用配置システム
 - 従業員にどのような仕事を与えるか


2.評価システム
 - 従業員をどのような観点と尺度で評価するか


3.報酬システム
 - 成果を出した従業員に対してどう報いるか


4.能力開発システム
 - 従業員の能力開発に対してどのように援助するか


この4つのシステムが連動することによって「従業員をどう取り扱い、どう報い、どう動機付けていくか」という人事システムの基本的な観点が形成されます。

・社会意識
社会意識では人々が一般的に思っている「物事の捉え方」「考え方」です。
人の考え方はもちろん個人によって異なるが大きくとらえれば、時代によって全体的な特長や傾向が見えてきます。ここの考え方の違いに組織が対応することはないが、全体的な意識が変化してきた場合対応する必要が生じます。
例として、いままではひとつの会社に入社したら、生涯その会社で働く終身雇用という考えが一般的だったが、現在では最初の会社に骨をうずめるという考え方はなくなってきました。
そのキャリア観に企業としても対応しなくてはならなくなり、中途・新卒どちらにも不利にならないよう柔軟な退職金制度の導入などがあります。


・経済情勢
景気動向や金利、為替など経済情勢にも大きな影響を受けます。
組織の中で、この経済情勢によって影響を受けるのは雇用の部分です。景気動向に応じて自社がどの程度拡大成長していくかを判断し、成長度合いに応じて人的資源を調達すべく雇用を調整します。
また、報酬の面でも影響を受けます。例えば毎年の昇給額はその年の景気動向によって左右されるし、業績の影響を受けやすい賞与の水準も景気を反映したものとなりやすいです。
掲載情勢の変化は時として、人事システムそのものを抜本的に改革する必要もあるほどインパクトがあります。企業年金に例をとってみましょう。株安・金利低下により企業年金運用り周りが、保証していた利率を大きく下回る状況が発生し年金の大幅な積みたて不足が起こり、最悪の場合には、退職金倒産もありえる状況なってしまいます。


・労働市場
組織が求める人材市場の年齢や性別、国籍が変化した場合です。
少子化、高齢化によって若年層の減少と高齢者の増加、女性の社会進出によって女性の労働者が増加、また外資系企業の日本に進出により日本で働く外国人も増えてきている傾向にあります。
また望まれる雇用形態の変化もひとつの要因になります。例えば半永久的に雇用を望まず、派遣や契約、短期的なプロジェクトなどベースで関わることを希望している人材が増加していることも組織構造に影響してきます。


・法的規制
法律や条令には否応なく影響を受けます。
特に就業時間や雇用条件、賃金などは労働基準法をはじめとする法的規制によって厳しく制限されます。
近年では女性労働や人材派遣を中心に、法的規制も緩和の方向に向かいつつあり、より柔軟な人、組織のマネジメントが必要になってきます。


・労働組合
会社は労働組合との団体交渉によって、賃金水準や労働時間などの労働条件を決定し、両者が合意に至らない場合にはストライキなどの労働争議に発展する可能性もあります。
労働組合が会社に対してどの程度影響力を有しているのか、また両者の関係が友好的か敵対的かによって、人、組織のマネジメントが影響を受ける度合いは異なります。


・技術的進歩
技術の進歩によって組織マネジメントに及ぼす影響は、情報の共有化、譲歩がもたらすビジネスのスピード化などが挙げられます。たとえば職場を離れて業務遂行が可能となり、在宅勤務などの雇用形態も実現できるようになりました。


・競合企業、業界動向
組織マネジメントにおいても競合他社との比較を行います。
たとえば、業界他社の水準と比較し給与水準が大きく異なれば、一般に給与水準の低い企業ほど優秀な人材の確保は難しくなるからです。
ただし、すべての仕組みを競合と同じにする必要はありません。優秀な人材を確保し育成するための効果的な仕組みを模索していく必要があります。自社の戦略に基づき組織マネジメントを決定し、必要に応じて競合他社の動向を把握していくやり方が求められてきます。

【経営戦略】


組織構造は戦略に合わせて、それを実現するために選択する必要があります。



【タスクの特性】


従業員のタスクによって、その組織構造が決められます。

例えば、生産現場の管理のような定型的なタスクを担当している従業員は、上司からの明確な指示や頻繁なコミュニケーションを望んでいる場合が多く、集権的な組織構造のほうが業績の向上につながりやすい。一方、研究開発部門など新製品開発を担うタスクに携わっている従業員はいちいち本社の了解を取らなければいけない構造ですと、仕事が進まないため上記のような組織構造はそぐわないでしょう。



【リーダーシップスタイル】


経営者のリーダーシップスタイルも組織構造に影響を及ぼします。
権限を上位管理者に集中させる場合には組織構造が適しています。



【組織文化】


外部からわかりにくい組織文化的な要因が影響していることもあります。
たとえば、伝統的に製造部門のほうが販売部門より発言力を持っているような企業では、意思決定の権限や指揮命令系統が製造部門に過度に集中していたりする。

複数の事業を展開する場合のスピードアップと適正な経営資源の配分を実現するための組織で、

一般に、事業部ごとに社内分社化(カンパニー化)し、権限を委譲して独立採算制を高め、利益責任を持たせる組織形態です。事業部制よりもさらに一歩、独立会社に近づいた形態です。

カンパニー制の特徴として、戦略立案と業務執行部を明確に分けている点があります。

戦略立案部門とは各カンパニーを統合するような立場であり、企業や企業グループ全体の統括的な戦略を決定するような部門です。

この戦略立案部門には以下のような特徴があります。

・     権限委譲された部門として、独立した会社のように経営資源の配分を行うほど大きな権限を有している。

・     グループとしての成長戦略、資源配分を企画・実行する。

・     専門職機能ををいっさい排除し、全社統括機能に特化している。

 

 

ソニーにおけるカンパニー制組織

日本において戦略立案と業務執行部の分離という新しい組織モデルの原型になっているのは、ソニーのカンパニー制です。

1994年にカンパニー制に踏み切り、3つのグループとカンパニーと5つのディビジョンカンパニーによって構成されました。ソニーがカンパニー制組織を採用したねらいは2つあったと考えられます。

ひとつは、各カンパニー(事業部門)に大幅な権限委譲を行い、業務執行の責任を明確化すると同時に、事業部門ごとの意思決定と業務執行をスピードアップさせること。

ふたつ目は、業務執行機能を委譲された事業部門を統括する全社的な戦略立案部門を「コーポレート機能」として強化することです。
このような一連の組織改革により、ソニーでは戦略立案機能と、独立したカンパニーとしての業務執行機能とが分離され、双方の機能と責任が強化され、明確化されることになった。