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人事制度コンサルティングのキャリア完全ガイド【2025年版】| ファームの種類・仕事内容・転職成功の秘訣

現代は、企業価値の源泉が「人」である「人的資本経営」の時代です。これに伴い、人事はもはや管理部門ではなく、経営戦略そのものと不可分の中核機能となり、組織人事コンサルタントの重要性が飛躍的に高まっています。2兆円規模に達したコンサルティング市場の成長も、この需要の高まりを裏付けています。
特に、以下の3つの大きな経営潮流が、組織人事コンサルタントへの需要を加速させています。
1. DXとAIの進化
テクノロジー活用を前提とした組織構造や人材ポートフォリオの再設計、HRテクノロジー導入、全社的なリスキリングが急務となっています。
2. M&Aとグローバル化
複雑な組織統合(PMI)や、グローバル基準でのタレントマネジメント、報酬制度の構築が企業の成長に不可欠です。
3. 働き方の多様化
DE&I推進やリモートワーク定着に伴い、多様な人材のエンゲージメントを高めるための新たな組織文化や人事制度の構築が求められています。
これらの課題解決には経営トップを巻き込んだ全社的な変革が不可欠です。そのため、組織人事コンサルタントは単なる問題解決者ではなく、経営戦略と人材戦略を統合し、企業の未来をデザインする「価値創造のパートナー」として、その役割を大きく変えています。
組織人事コンサルティング業界の全体像

組織人事コンサルティング業界は、多種多様なプレイヤーが存在し、それぞれが異なる強みと専門性を持っています。転職を成功させるためには、まずこの複雑な「カオスマップ」を理解し、自身の経験やキャリア志向に最も合致するファーム群を見極めることが不可欠です。近年、戦略ファームが人事領域に進出したり、総合ファームがHRテクノロジーで強みを発揮したりと、各カテゴリー間の垣根は曖昧になりつつありますが、その出自や中核となる強みには明確な違いが存在します。ここでは、業界を8つの主要カテゴリーに分類し、その特徴を解説します。
ファームの選択は、単に「どの会社に入るか」ではなく、「どのような専門性をキャリアの土台として築くか」という戦略的な意思決定です。例えば、グローバルな人事制度設計やM&AにおけるPMIのプロフェッショナルを目指すなら外資系/グローバルファームが、テクノロジーを駆使した大規模な業務変革に惹かれるなら総合系ファームが、日本企業の組織文化や心理に深く根差した変革を志すなら国内独立系ファームが、それぞれ最適な「修練の場」となるでしょう。この初期選択が、その後のキャリアパス、ひいてはポストコンサルタントとしての市場価値を大きく左右することを理解することが重要です。
マーサーやコーン・フェリーに代表される、組織人事領域に特化したグローバルファームです。世界規模のネットワークから得られる豊富なデータや最新の知見が最大の武器です。特に、役員報酬設計、グローバル等級制度の構築、クロスボーダーM&Aにおける人事デューデリジェンスなど、高度な専門性と客観的なデータが求められる領域で圧倒的な強みを誇ります。
デロイト、PwC、EY、KPMGの4大ファームの組織人事部門です。会計や税務、M&Aアドバイザリーなど、ファームが持つ他領域の専門家と連携し、人事課題を経営全体の視点から統合的に解決できる点が特徴です。大規模な組織変革やグローバルな人事制度統合プロジェクトを数多く手掛けています。
アクセンチュアやアビームコンサルティングなどがこのカテゴリーに含まれます。戦略立案からシステム導入、アウトソーシングまでを一気通貫で支援する中で、組織人事の変革を担います。特に、HRテクノロジーを活用した人事部門のDX支援や、それに伴う業務プロセス改革(BPR)に強みを持っています。
マッキンゼーやボストン・コンサルティング・グループ(BCG)など、企業の全社戦略や事業戦略を主戦場とするファームです。彼らにとって組織人事のテーマは、戦略実行のための重要なレバーの一つと位置づけられています。全社的な組織構造の設計や、事業ポートフォリオ変革に伴うタレントマネジメント戦略など、極めて経営レベルの高い視点からのコンサルティングが特徴です。
5. シンクタンク
野村総合研究所(NRI)や三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)など、大手金融機関や事業会社を母体とするファームです。グループの強固な顧客基盤を活かし、長年にわたるリサーチで培った深い業界知見と、地に足のついたコンサルティングを両立させているのが特徴です。
リンクアンドモチベーションやリクルートマネジメントソリューションズなどが代表格です。日本企業の組織文化や雇用慣行を深く理解した上で、独自の理論やメソドロジー(例:「モチベーションエンジニアリング」)を駆使したコンサルティングを展開します。エンゲージメント向上や組織風土改革といった領域でユニークな強みを発揮します。
グロービスやコーチ・エィなど、リーダーシップ開発やコーチング、各種研修プログラムの提供を通じて、「人」の成長を起点とした組織変革を支援するファームです。組織の「ソフト面」である関係性の質やコミュニケーションの向上にフォーカスしています。
船井総合研究所やタナベ経営(現タナベコンサルティンググループ)など、中堅・中小企業の経営課題全般を支援するファームです。人事領域に特化するのではなく、営業、マーケティング、財務など、経営のあらゆる側面を包括的にサポートする中で、クライアントの実情に合わせた実践的な人事施策を提案します。
カテゴリー | 代表的なファーム | プロジェクトの特徴 | 強み・カルチャー | 求められる人材像 | キャリアパスの方向性 |
---|---|---|---|---|---|
外資系/グローバル | マーサー, コーン・フェリー, WTW | グローバル人事制度設計, M&A人事, 役員報酬 | データドリブン, グローバル標準, 高い専門性 | 論理的思考力, 分析力, 英語力, 人事またはコンサル経験 | 事業会社のグローバル人事企画, M&A担当, 独立 |
Big4コンサル | デロイト(HC), PwC(P&O), EY(PAS), KPMG(P&C) | 大規模組織変革, 人事機能改革, チェンジマネジメント | 総合力, グローバルネットワーク, End-to-End支援 | 構造化能力, プロジェクトマネジメント力, 協調性 | 事業会社の人事企画・経営企画, 他ファーム, 独立 |
総合コンサル | アクセンチュア(T&O), アビーム(HCM) | HRテクノロジー導入, 人事業務BPR, シェアードサービス化 | テクノロジー基盤, 大規模実行力, オペレーション改革 | IT知見, プロセス思考, 大規模プロジェクト遂行能力 | IT・業務コンサル, 事業会社のDX推進, HRテック企業 |
戦略コンサル | BCG, マッキンゼー | 全社組織設計, 事業再編に伴う人材戦略, ガバナンス改革 | 経営視点, 戦略との連動性, 知的厳密性 | 圧倒的な地頭, 仮説構築力, 経営層との対話力 | 事業会社の経営企画, CxO, PEファンド, 起業 |
シンクタンク | 野村総研, 三菱UFJリサーチ&コンサル | 調査・研究に基づく人事戦略, 制度設計, 研修 | 業界知見, 安定した顧客基盤, 堅実な社風 | 特定業界への専門性, 分析力, 顧客との長期的な関係構築力 | 金融機関・事業会社の人事・企画, 公的機関 |
国内独立・特化型 | リンクアンドモチベーション, リクルートMS | 組織風土改革, エンゲージメント向上, 理念浸透 | 独自メソドロジー, 日本企業への深い理解, 実行支援 | 営業力, 対人感受性, 理念への共感 | 事業会社の組織開発・人材開発, CHRO, 独立 |
人材育成・組織開発系 | グロービス, コーチ・エィ | リーダーシップ開発, 研修プログラム設計・実施 | 人材育成ノウハウ, コーチング, 組織のソフト面へのアプローチ | 研修講師経験, 人材開発への情熱, ファシリテーション能力 | 事業会社の人材開発, 研修会社, プロコーチ |
中小企業向けコンサルティングファーム | 船井総研, タナベコンサルティング | 人事を含む全社的な経営コンサルティング | 現場主義, 実践的, 業績向上への直結 | 中小企業への共感, 幅広い経営知識, 実行力 | 中小企業の経営幹部, 独立コンサルタント |
【2025年最新】トップファーム徹底比較:強み・カルチャー・採用動向

組織人事コンサルティング業界への転職を考える上で、個別のファームが持つ独自の思想、強み、そしてカルチャーを深く理解することは、成功への第一歩です。ここでは、主要なカテゴリーを代表するトップファームを厳選し、その実像に迫ります。
Global Specialists
思想・ポジショニング
「人・組織」領域における世界最大級のコンサルティングファームとして、データとファクトに基づいた客観的かつグローバル標準のソリューションを提供することを信条としています。
主要サービス領域
膨大な報酬サーベイデータを活用した報酬制度設計は他の追随を許しません。その他、グローバル人事制度、M&Aにおける人事アドバイザリー、年金・資産運用コンサルティングなど、多岐にわたる専門サービスを展開しています。
求める経験・スキル
コンサルティング経験者や事業会社の人事企画経験者がメインターゲットですが、ポテンシャル採用も行っています。論理的思考力、高い分析能力に加え、グローバル案件が多いためビジネスレベルの英語力が求められるケースが多いです。
カルチャー・働きがい
知的でプロフェッショナルな雰囲気。多様な専門性を持つ同僚と協力し、クライアントの組織改革に深く関与できる点が魅力です。中途採用にも積極的で、様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍しています。
Big4コンサルティングファーム
思想・ポジショニング
「人」を通じた事業価値の最大化をミッションに掲げ、戦略から実行までEnd-to-Endで支援します。カルチャーとして「思いやり」と「信頼」を重視し、クライアント社員一人ひとりのビジョンをヒアリングするボトムアップ型のアプローチも特徴的です。
主要サービス領域
人事戦略・制度設計を担う「Workforce Transformation」から、HRテクノロジー導入を担う「HR Transformation」まで、幅広いサービスラインを持ちます。近年は「人材×AI」といった先進的なテーマにも注力しています。
求める経験・スキル
コンサル経験者に加え、事業会社の人事、SIerでのシステム導入経験者など、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用しています。
カルチャー・働きがい
助け合うカルチャーが根付いており、コンサルタントが幸せな状態で働くことがクライアントへの価値提供につながるという考え方が浸透しています。柔軟な働き方が可能で、所属を変えずに勤務地を変更した事例もあります。
思想・ポジショニング
「クライアントの『人財』価値を最大化して、企業・組織の成長と変革を支援する」ことをミッションとしています。PwCグローバルのネットワークを活かし、経営層との強いリレーションが特徴です。
主要サービス領域
組織設計、チェンジマネジメント、グローバル人材マネジメント、タレントマネジメントなど、組織と人に関わるあらゆる変革ニーズに応えます。M&Aにおける人事PMIにも強みを持っています。
求める経験・スキル
論理的思考力や課題発見力はもちろん、多様な個性を尊重し、チームで成果を出すことを重視します。
カルチャー・働きがい
フラットで風通しの良い組織風土。拡大・成長ステージにあるため、若手にも豊富なキャリア機会が提供され、グローバルプロジェクトへの参画チャンスも多いです。
思想・ポジショニング
人を中心に据えたビジネス戦略の実現を支援します。世界150カ国以上に展開するプロフェッショナルネットワークが最大の強みです。
主要サービス領域
他のBig4ファームと比較して、海外赴任者の税務・ビザ・報酬などを包括的に支援する「グローバルモビリティ」サービスに際立った強みを持っています。その他、組織・人事変革、労働環境整備・働き方改革、ピープルアナリティクスなども提供します。
求める経験・スキル
第二新卒から即戦力まで幅広く採用しており、ポテンシャルを重視する傾向があります。グローバル案件が多いため、ビジネスレベルの英語力が求められるポジションも多いです。
カルチャー・働きがい
4つの専門チームから構成され、多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが協働しています。グローバルで培われた知見を活かし、クロスボーダー案件に携わる機会が豊富です。
思想・ポジショニング
人材の潜在能力を最大限に引き出すことを目指し、組織構造などの「ハード」領域と、組織カルチャーやエンゲージメントといった「ソフト」領域の両面から変革を支援します。
主要サービス領域
組織開発(パーパス策定、組織カルチャー変革、DE&I)、人材マネジメント高度化(人事制度、人材開発)、HRトランスフォーメーション(HR Tech導入支援)などを手掛けます。
求める経験・スキル
コンサル経験者、または大手企業の人事部門で企画業務(制度設計等)の経験を持つ人材を求めています。プロアクティブに行動し、周りを巻き込みながら成果を出せる人物像が理想です。
カルチャー・働きがい
意欲があればプロジェクト外のソリューション開発などにもチャレンジできる環境です。「保活コンシェルジュサービス」など、ワークライフバランスを支援する制度も充実しています。
総合コンサルティングファーム
思想・ポジショニング
「人材とテクノロジーを融合させ、変革を推進する」ことを掲げ、テクノロジーを起点とした人事・組織改革をリードします。
主要サービス領域
HRトランスフォーメーションが中核であり、WorkdayやSAP SuccessFactorsなどのクラウドプラットフォーム導入を伴う大規模プロジェクトに強みを持ちます。その他、チェンジマネジメント、リーダーシップ開発、タレントトランスフォーメーションなども手掛けます。
求める経験・スキル
中途採用比率が7割を超え、年間数千人規模の採用を行うなど、門戸は広いです。コンサル経験者に加え、IT業界出身者や人事システム関連の経験者が高く評価されます。
カルチャー・働きがい
世界最大級のファームであり、多様な業界のトップ企業をクライアントに持ちます。プロジェクト規模が大きく、最先端のデジタル技術に触れられる機会が豊富です。一方で、入社後についていくためには、コンサル特有の仕事の進め方への早期のキャッチアップが求められます。
国内独立系・領域特化型コンサルティングファーム
思想・ポジショニング
世界初の「モチベーション」にフォーカスしたコンサルティング会社。社会学・心理学・経営学を統合した独自の基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を核としています。
主要サービス領域
組織人事コンサルティングに加え、SaaSプロダクトである従業員エンゲージメント向上クラウド「モチベーションクラウド」の提供が事業の柱です。診断から変革までを一気通貫で支援します。
求める経験・スキル
営業経験(特に法人向け無形商材)、または経営・組織人事に関する職務経験が求められます。同社の理念への共感が非常に重視され、カルチャーフィットが厳格に評価される選考プロセスが特徴です。
カルチャー・働きがい
「良い会社の定義を変える」というビジョンに共感した、熱意のある社員が多いです。20代のうちから日本を代表するような大企業の変革に携われる機会があります。
ファーム名 | 思想・ポジショニング | 主要サービス領域 | 求める経験・スキル | カルチャー・働きがい | 想定年収レンジ |
---|---|---|---|---|---|
マーサージャパン | データとグローバル標準に基づく客観的ソリューション | 報酬制度, M&A人事, 年金 | コンサル/人事企画経験, 高い分析力, 英語力 | プロフェッショナル, 知的, グローバル | 700万~2000万円 |
デロイト(HC) | 「人」を通じた事業価値最大化, End-to-End支援 | 人事戦略, 組織変革, HR Tech | コンサル, 事業会社人事, SIer出身者など多様 | 「思いやりと信頼」, 協働, 柔軟な働き方 | 非公開 |
PwC(P&O) | 「人財」価値の最大化による成長・変革支援 | 組織設計, チェンジマネジメント, グローバル人事 | 論理的思考力, 課題発見力, チームワーク | フラット, グローバル, 成長機会豊富 | 非公開 |
EY(PAS) | 人を中心に据えたビジネス戦略実現 | グローバルモビリティ, 組織・人事変革, ピープルアナリティクス | ポテンシャル重視, 英語力尚可 | グローバルネットワーク, 多様な専門家との協働 | 非公開 |
KPMG(P&C) | ハードとソフトの両面から人材の潜在能力を最大化 | 組織開発, 人材マネジメント高度化, HR Tech | コンサル/人事企画経験, プロアクティブな姿勢 | 挑戦を奨励, WLB支援制度充実 | 500万~2000万円 |
アクセンチュア(T&O) | 人材とテクノロジーの融合による変革推進 | HRトランスフォーメーション, HR Tech導入, チェンジマネジメント | コンサル, IT業界, 人事システム経験者 | テクノロジー志向, 大規模, スピーディー | 700万~1300万円 (20代後半~30代前半) |
リンクアンドモチベーション | 独自の「モチベーションエンジニアリング」が核 | 組織開発コンサル, SaaS「モチベーションクラウド」 | 営業経験, 人事関連経験, 理念への共感 | ビジョン共感型, チームワーク, 若手の活躍 | 536万~1024万円 |
組織人事コンサルタントのリアル:仕事内容、やりがい、そしてキャリアの未来

組織人事コンサルタントへのキャリアを具体的にイメージするために、その仕事の実際、働く上でのやりがい、そしてその先に広がるキャリアの可能性について深く掘り下げていきます。
仕事内容
組織人事コンサルタントの仕事は、クライアントが抱える「人」と「組織」に関する経営課題を解決することです。プロジェクトは多岐にわたりますが、一般的には課題の分析から解決策の策定、そして実行・定着支援までを一貫して担います。
代表的な業務内容
人事制度設計・構築
企業の経営戦略やビジョンに基づき、等級、評価、報酬といった人事の根幹をなす制度を設計・再構築します。例えば、年功序列型から成果主義・役割主義(ジョブ型)への移行支援などが典型的なプロジェクトです。
M&Aに伴う人事統合 (PMI)
合併・買収後の両社の人事制度を統合し、シナジーを最大化するための新しい制度や組織文化を構築します。
組織開発・風土改革
従業員エンゲージメントサーベイなどを通じて組織の課題を可視化し、理念浸透のワークショップやコミュニケーション活性化施策などを通じて、組織風土の改革を支援します。
人材育成・リーダーシップ開発
次世代の経営幹部候補を選抜・育成するサクセッションプランの策定や、各階層向けの研修プログラムの設計・実施を行います。
チェンジマネジメント
新しい制度やシステムの導入、組織再編といった大きな変革に対して、従業員の抵抗を乗り越え、変革をスムーズに浸透させるためのコミュニケーションプランの策定や実行を支援します。データ分析技術を活用し、変革の成果を定量的にモニタリングすることもあります。
やりがい
組織人事コンサルタントの仕事は、知的な挑戦と大きな責任を伴いますが、それに見合うだけの深いやりがいがあります。
企業変革の当事者となる醍醐味
自らが提案した施策によって、クライアント企業の組織が変わり、従業員の働き方が変わり、そして業績が向上していく。その変革のプロセスに深く関与し、ダイナミズムを肌で感じられることは、何物にも代えがたい経験です。
経営層への直接的な影響力
人事戦略は経営戦略そのものであるため、クライアントの経営トップと直接対話し、企業の将来を左右するような意思決定に貢献する機会が数多くあります。
圧倒的な自己成長
プロジェクトごとに異なる業界、異なる企業規模、異なる課題に直面するため、常に新しい知識やスキルを吸収し続けることができます。若くして責任ある役割を任され、実力次第でスピーディーに昇進できる環境も魅力です。コンサルタントとの対話を通じて、自分自身のキャリアを見つめ直すきっかけを得たという事業会社出身者もいます。
求められるスキル
この仕事で成功するためには、論理的思考力といった「ハードスキル」と、人間的な影響力である「ソフトスキル」の両方が不可欠です。
ハードスキル
論理的・批判的思考力
複雑な事象を構造的に捉え、前提を疑い、問題の本質を突き詰める能力は、コンサルタントの思考の根幹をなします。
問題解決・分析能力
課題を特定し、仮説を立て、データやインタビューを通じて検証し、具体的な解決策を導き出す一連のプロセスを遂行する力です。
ソフトスキル
コミュニケーション・関係構築力
クライアントの役員から現場の従業員まで、あらゆる階層の人々と信頼関係を築き、本音を引き出す能力が求められます。特に、変革には抵抗がつきものであり、心理的な障壁を取り除く人間的な魅力や対話力がプロジェクトの成否を分けます。
ファシリテーション能力
組織や人という「生き物」を扱うため、最適な解決策が必ずしもそのまま受け入れられるとは限りません。多様なステークホルダーの意見を調整し、合意形成を図りながら、組織を動かしていく能力が極めて重要です。
キャリアパス
組織人事コンサルタントとしての経験は、その後のキャリアに多様な選択肢をもたらす「強力な発射台」となります。
ファーム内での昇進
一般的に、アナリスト/アソシエイトから始まり、コンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、そしてパートナーへとキャリアアップしていきます。職位が上がるにつれて、個別のタスク遂行から、プロジェクト全体のマネジメント、クライアントとの関係構築、そして新たなビジネスの創出へと役割がシフトしていきます。
ポストコンサルタントの多様な選択肢
コンサルティングファームで培った専門性や視座は、事業会社や他のプロフェッショナルファームで高く評価されます。
事業会社の人事・経営企画
コンサルタントとして培った戦略的視点や制度設計のノウハウを活かし、事業会社のCHRO(最高人事責任者)や人事部長、経営企画担当として、当事者として組織変革をリードする道です。
他のコンサルティングファーム
組織人事の専門性を軸に、戦略ファームやITファームなど、異なる領域のファームへ移籍し、キャリアの幅を広げることも可能です。
経営幹部・ターンアラウンドマネージャー
組織や人に関する深い洞察力は、企業の経営そのものに活かすことができます。PEファンドの投資先企業の経営陣として、企業価値向上に取り組むキャリアも考えられます。
独立・起業
特定の領域(例:リーダーシップ開発、M&A人事など)で高い専門性を築き、独立したコンサルタントとして活動する道も開かれています。
どのキャリアパスを歩むかは、コンサルタント時代にどのファームで、どのようなプロジェクト経験を積み、どんな専門性を磨いたかによって大きく左右されます。M&A人事の経験を積めば事業会社のM&A担当へ、HRテクノロジー導入をリードすればHRテック企業の幹部へ、というように、コンサルタントとしての経験が次のキャリアを具体的に形作っていくのです。
難関突破の鍵はパートナー選びにあり:ムービンと目指す組織人事コンサルタントへの道
ここまで見てきたように、組織人事コンサルタントは非常に魅力的で将来性のあるキャリアですが、その門は狭く、転職の難易度は極めて高いのが現実です。人気企業には優秀な候補者が殺到し、その倍率は非常に高くなっています。選考プロセスでは、深い業界知識、ケース面接を突破するための論理的思考力と問題解決能力、そして自分自身の経験を魅力的に伝える高度なコミュニケーション能力が問われます。
このような厳しい競争を勝ち抜くためには、独力での情報収集や対策には限界があります。成功の鍵は、業界を熟知し、各ファームとの太いパイプを持つ、信頼できるパートナーを選ぶことにあります。
私たちムービン・ストラテジック・キャリアは、コンサルティング業界への転職支援においてNo.1の実績を誇るプロフェッショナル集団です。私たちの強みは、単なる求人紹介に留まらない、他社にはない独自の価値提供にあります。
1. 業界出身者による「本物」のインサイト
ムービンに在籍するキャリアコンサルタントの多くは、BCG、デロイト、PwC、アクセンチュアといったトップファームの出身者です。私たちは、インターネット上では決して得られない、各ファームのリアルなカルチャー、部門ごとの最新の採用動向、さらには面接官の特性といった「インサイダー情報」を提供します。あなたの経歴や志向を深く理解した上で、どのファームのどのポジションが最適なのかを、元コンサルタントの視点から的確にアドバイスします。
2. 圧倒的な実績に裏打ちされた徹底的な選考対策
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3. 非公開求人を含む幅広い選択肢と長期的なキャリア支援
私たちは、クライアントであるコンサルティングファームと強固な信頼関係を築いており、一般には公開されていないポジションも多数扱っています。目先の転職だけでなく、あなたの10年後、20年後を見据えた長期的なキャリアプランを共に考え、その実現に向けた最適な一歩を提案します。ご転職までの期間に定めはなく、納得のいく決断ができるまで、私たちはあなたのキャリアに寄り添い続けます。
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人事制度コンサルティングについてのFAQ
Q: 「人事制度コンサルティング」とは、具体的にどのような仕事ですか?
人事制度コンサルティングとは、企業の経営課題を「ヒトと組織」の側面から解決する専門的なサービスです。単に給与や評価のルールを決める仕事ではなく、クライアント企業の経営戦略や事業目標を実現するための仕組みを設計することが本質的な役割です。経営戦略と人事戦略を連動させ、企業の成長を加速させるための重要なパートナーと言えます。
その業務範囲は非常に多岐にわたります。中核となるのは「等級・評価・報酬」といった人事制度の設計・導入ですが、それ以外にもM&Aに伴う人事制度の統合、リーダーシップ開発や人材育成体系の構築、従業員エンゲージメントの向上、さらにはグローバルな人事管理体制の構築まで、組織と人に関わるあらゆる課題が対象となります。
転職希望者にとって重要なのは、この仕事が単なる人事の専門家ではなく、経営課題を解決するビジネスパートナーであるという点です。コンサルタントは、クライアントが「なぜ」人事制度を変えたいのか、その背景にある事業上の課題を深く理解することから始めます。例えば、「優秀な人材の離職率が高い」「新事業を担うリーダーが育たない」「M&A後の組織がうまく機能しない」といった経営課題が、コンサルティングの出発点となることがほとんどです。
コンサルタントは、まず現状分析を通じて、これらの事業課題が既存の人事制度のどの部分に起因しているのかを診断します。そして、その根本原因を解決するための手段として、新しい人事制度を設計・提案します。つまり、人事制度の構築は目的ではなく、あくまで経営課題を解決するための「手段」です。したがって、この分野で成功するためには、人事の知識だけでなく、クライアントのビジネスモデルや事業戦略を深く理解し、それらと連動した制度を設計する戦略的思考力が不可欠となります。
Q: 人事制度の「等級」「評価」「報酬」とは、それぞれ何を指すのですか?
人事制度は、主に「等級制度」「評価制度」「報酬制度」という3つの柱で構成されており、これらは相互に密接に関連し合っています。
1. 等級制度 (Grading System)
社員を格付けし、処遇や権限、育成の基準となる序列を定める仕組みです。企業のキャリアパスの骨格をなすものであり、どのような基準で社員を区分するかによって、いくつかの種類に分けられます。代表的なものに、日本企業で伝統的に多く見られる「職能資格制度(個人の能力の高さで格付け)」、職務の価値に基づいて格付けする欧米型の「職務等級制度(ジョブグレード制)」、そして近年注目されている「役割等級制度(ミッショングレード制)」などがあります。どの制度を選択するかは、企業の価値観や人材に対する考え方を反映します。
2. 評価制度 (Evaluation System)
等級制度で定められた基準に基づき、社員の貢献度や発揮した能力、業務遂行のプロセスなどを評価するための仕組みです。評価は、業績などの「貢献度評価」と、成果に至るまでの行動やプロセスを評価する「行動評価(コンピテンシー評価)」に大別されます。評価基準が曖昧であったり、不公平感があったりすると、社員のモチベーションを著しく低下させる可能性があるため、透明性と納得感のある設計が極めて重要です。
3. 報酬制度 (Compensation System)
等級と評価の結果に基づき、社員の給与や賞与などを決定する仕組みです。月給や賞与の構成、昇給のルール、各種手当などを定めます。報酬制度を設計する上で最も重要なのは、「何に対して賃金を支払うか」という企業の方針を明確にすることです。例えば、個人の能力の伸長に報いるのか、担っている職務の市場価値に報いるのか、あるいは短期的な成果に報いるのかによって、制度の姿は大きく変わります。
コンサルティングプロジェクトでは、一般的に「等級」→「評価」→「報酬」の順で制度を設計します。まず社員の序列と役割を定義し(等級)、次にその役割において何を達成すれば評価されるのかを定め(評価)、最後にその評価結果をどのように処遇に反映させるかを決定する(報酬)という論理的な流れで進めることで、一貫性のある制度を構築することができます。
Q: 最近よく聞く「ジョブ型人事制度」とは何ですか?コンサルティングではどのように関わりますか?
ジョブ型人事制度とは、伝統的な日本企業の「メンバーシップ型雇用(人を採用してから仕事を割り当てる)」とは対照的に、特定の職務(ジョブ)を定義し、その職務を遂行する人材を採用・配置する考え方です。報酬は、その人が持つ能力や勤続年数ではなく、その職務の価値や大きさに基づいて決定されるのが大きな特徴です。
近年、多くの日本企業がジョブ型への移行を検討しており、人事コンサルティングにおける主要なテーマの一つとなっています。コンサルタントは、この大きな変革を支援するために多岐にわたる役割を担います。
職務分析と職務記述書(ジョブディスクリプション)の作成
ジョブ型制度の根幹となる作業です。コンサルタントは、企業内のあらゆる職務の内容、責任、権限、求められるスキルなどを詳細に分析し、職務記述書として明文化します。
職務評価
作成した職務記述書に基づき、各職務の相対的な価値を客観的な基準で評価し、等級付けを行います。
制度設計と導入
職務評価の結果を基に、等級制度、評価制度、報酬制度を設計します。特に報酬については、外部の報酬水準調査などを活用し、市場競争力のある水準を設定することが重要です。
チェンジマネジメント
メンバーシップ型に慣れ親しんだ企業にとって、ジョブ型への移行は大きな文化変革を伴います。コンサルタントは、社員への説明会の実施、管理職向けの評価者研修、新制度の円滑な定着に向けたコミュニケーションプランの策定など、変革に伴う組織的な混乱を最小限に抑えるための支援も行います。
ただし、先進的なコンサルティングファームでは、欧米のジョブ型をそのまま導入することが最適解とは考えていません。多くの日本企業が持つ終身雇用や年功序列といった文化の長所、例えば高い従業員エンゲージメントや柔軟な人材配置といった点を考慮し、両者の利点を融合させた「日本型ジョブ型人事制度」の構築を支援するケースが増えています。これは単なる制度の移植ではなく、クライアントの企業文化や事業戦略に合わせた、より高度な組織設計と言えます。さらに、PwCなどが提唱する「ジョブ型3.0」のように、単なる処遇決定の仕組みに留まらず、事業戦略と連動した戦略的な人材ポートフォリオ管理や要員計画の実現を目指す、より進化したアプローチも求められています。
Q: 人事制度コンサルティングのプロジェクトは、どのような流れで進むのですか?
人事制度コンサルティングのプロジェクトは、一般的に以下のフェーズに沿って進められます。
1. 提案フェーズ
クライアントが抱える経営・人事上の課題をヒアリングし、解決に向けたアプローチ、プロジェクトの進め方、体制、費用などを提案し、受注を目指します。
2. 現状分析・方針策定フェーズ
プロジェクトが開始されると、まず現状の徹底的な分析から入ります。経営層や従業員へのインタビュー、アンケート調査、人事データ(給与、離職率など)の定量分析などを通じて、課題の根本原因を特定します。この分析結果に基づき、クライアントの経営陣と議論を重ね、新しい人事制度が目指すべき方向性(基本方針)を固めます。
3. 詳細設計フェーズ
策定した基本方針に基づき、等級制度、評価制度、報酬制度の具体的な中身を設計していきます。等級の数や定義、評価項目、評価方法、給与テーブル、賞与の算定式などを詳細に決定します。この際、新人事制度への移行に伴う人件費の変動をシミュレーションし、財務的な影響を検証することも重要な作業です。
4. 導入・運用支援フェーズ
設計した新制度を組織に導入し、定着させるためのフェーズです。評価マニュアルや規程類の作成、従業員向けの説明会の開催、管理職向けの評価者研修の実施などを通じて、新制度の理解促進と円滑な運用開始を支援します。導入後も、初年度の評価運用のモニタリングや、制度の微調整など、継続的なフォローアップを行うこともあります。
プロジェクト内での役割は、職位によって異なります。
アナリスト
コンサルタントの指示のもと、情報収集(リサーチ)、データ分析、議事録作成、資料作成のサポートなどを担当し、コンサルタントとしての基礎を学びます。
コンサルタント
プロジェクトの特定領域を担当し、自らクライアントへのインタビューや分析、提言の取りまとめ、報告書の作成などを行います。
マネージャー
プロジェクト全体の責任者として、進捗管理、品質管理、クライアントとのコミュニケーション、チームメンバーのマネジメントなど、多岐にわたる役割を担います。日々の業務では、後輩コンサルタントが作成した資料のレビューや指導も重要な仕事です。
Q: 人事制度コンサルタントには、どのようなスキルや経験が求められますか?
人事制度コンサルタントとして活躍するためには、専門知識に加えて、コンサルタントとしての基本的なスキルと、この領域特有のソフトスキルが求められます。
コア・コンサルティングスキル
これは全てのコンサルタントに共通する土台となるスキルです。
論理的思考力
複雑な組織課題を構造的に捉え、仮説を立て、検証し、筋道の通った結論を導き出す能力。
問題解決能力
分析によって明らかになった課題に対し、現実的かつ効果的な解決策を立案し、実行に導く能力。
専門知識・経験
必ずしも人事部門での実務経験が必須ではありませんが、組織・人事領域に対する強い関心は不可欠です。事業会社の人事部(特に人事企画)、経営企画、事業企画などでの経験は、コンサルティング業務との親和性が高く、高く評価されます。
ソフトスキル
人事制度は「人」に直接的な影響を与えるため、他のコンサルティング領域以上にソフトスキルが重要視されます。
コミュニケーション能力
経営層から現場の従業員まで、様々な立場の人々から本音を引き出すヒアリング能力、ワークショップを円滑に進めるファシリテーション能力、そして複雑な制度を分かりやすく説明するプレゼンテーション能力が求められます。
共感力・対人理解力
制度変更は、従業員の処遇やキャリア、モチベーションに直結します。ロジカルな正しさだけでなく、従業員の感情や組織の力学を理解し、多くのステークホルダーの納得感を醸成しながら丁寧に物事を進める姿勢が不可欠です。
人事以外の職種から転職を目指す場合、自身の経験をコンサルティング業務にどう活かせるかを具体的に示すことが重要です。例えば、営業職の経験者は、顧客の潜在的なニーズを的確に把握し、信頼関係を構築してきた経験を、クライアントや従業員の課題を理解し、ステークホルダーを巻き込む力としてアピールすることができます。
Q: 未経験から人事制度コンサルタントに転職することは可能ですか?
はい、未経験から人事制度コンサルタントへの転職は十分に可能です。特に若手のポテンシャル採用においては、多くのコンサルティングファームが人事領域の専門知識を持たない候補者も積極的に採用しています。
ファームが未経験者に求めるのは、現時点での専門性よりも、将来コンサルタントとして大成するポテンシャルです。具体的には、以下のような点が重視されます。
高い論理的思考力と問題解決能力
これまでの職務経験の中で、論理的に物事を考え、主体的に課題を解決してきた実績が評価されます。
学習意欲と成長意欲
未知の領域に対して貪欲に知識を吸収し、短期間で成長できるキャッチアップ能力が求められます。
人事領域への強い関心
「なぜコンサルタントになりたいのか」だけでなく、「なぜ数あるコンサルティング領域の中で『人事』なのか」という問いに対して、自身の経験に基づいた説得力のある志望動機を語れることが極めて重要です。
ムービンのようなコンサルティング業界に特化した転職エージェントは、未経験者の転職活動を強力にサポートします。候補者一人ひとりの経験を棚卸しし、コンサルタントとしてのポテンシャルを最大限に引き出す職務経歴書の作成支援や、各ファームの特色に合わせた面接対策を通じて、転職成功の可能性を高めることができます。
Q: 人事制度コンサルタントのキャリアパスはどのようになっていますか?
人事制度コンサルタントのキャリアパスは、ファーム内での昇進と、その後のキャリア(ポストコンサル)の双方で多様な選択肢があります。
ファーム内でのキャリアパス
多くのファームでは、「アナリスト」から始まり、「コンサルタント」「マネージャー」「シニアマネージャー」「パートナー/ディレクター」へと昇進していく明確なキャリアラダーが設定されています。昇進は年功序列ではなく、実力と成果に基づいて決定されます。例えば、アクセンチュアでは各職位での在籍年数の目安が示されており 、EYでは若手時代は幅広いプロジェクトを経験し、シニアコンサルタントから専門領域に所属する、といった育成方針が採られています。
ポストコンサルタントのキャリアパス
コンサルティング業務を通じて培った高度な問題解決能力や専門性は、転職市場で非常に高く評価され、多様なキャリアへの扉を開きます。
事業会社の人事部門・経営企画部門
最も一般的なキャリアパスの一つです。クライアント企業の経営幹部や人事部長として迎えられるケースも少なくありません。
他のコンサルティングファーム
組織人事の経験を活かし、より上流の戦略コンサルティングファームへ移籍するケースもあります。
プロ経営者・投資ファンド
事業再生や企業変革の経験を活かし、投資ファンドの投資先企業の経営幹部として活躍する道もあります。
独立・起業
専門性を活かして自身のコンサルティングファームを立ち上げたり、研修講師として独立したりするコンサルタントも多くいます。
ここで重要なのは、最初にどのタイプのファームを選ぶかによって、その後のキャリアパスの選択肢が大きく影響を受けるという点です。
例えば、Big4や総合系ファームで大規模なHRテクノロジー導入やM&A後の統合プロジェクトを経験すれば、事業会社のHRトランスフォーメーション責任者やPMI(Post Merger Integration)の専門家といったキャリアに繋がりやすくなります。
一方、マーサーやコーン・フェリーのような専門ブティックファームで役員報酬やタレントアセスメントといった特定の分野で深い専門性を磨けば、事業会社の報酬・福利厚生部門のトップや、タレントマネジメントの責任者といったエキスパートとしてのキャリアが拓けます。
また、リンクアンドモチベーションのような日系の独自ファームで組織文化やエンゲージメントに関する経験を積めば、組織開発(OD)責任者やCHRO(最高人事責任者)に近い立場で、より定性的な組織課題に取り組むキャリアへと発展する可能性があります。
このように、自身の長期的なキャリアゴールを見据えた上で、最初のファームを選択することが極めて重要です。
Q: コンサルティングファームでの働きがいや、厳しい点について教えてください。
コンサルティングファームでのキャリアは、大きなやりがいと同時に、厳しさも伴います。
働きがい
コンサルティング業務を通じて培った高度な問題解決能力や専門性は、転職市場で非常に高く評価され、多様なキャリアへの扉を開きます。
経営へのインパクト
大手企業の経営課題に直接関与し、自らの提言が組織変革に繋がるダイナミズムは、他では得難い経験です。
圧倒的な成長
常に新しい課題に直面し、優秀な同僚と切磋琢磨する環境は、ビジネスパーソンとして飛躍的な成長を促します。
知的な挑戦
複雑で答えのない問題に対して、論理と創造性を駆使して解決策を導き出すプロセスは、知的好奇心を大いに刺激します。
優秀な仲間
様々なバックグラウンドを持つ、極めて優秀で意欲の高い同僚や上司と共に働くことで、日々多くの刺激を受けることができます。
厳しい点
業務負荷
「激務」というイメージの通り、プロジェクトの繁忙期には長時間労働が常態化することもあります。近年、多くのファームが働き方改革を進め、フレックスタイム制度やリモートワークの導入、残業時間の管理強化などに取り組んでいますが 、クライアントの期待に応えるという本質的なプレッシャーがなくなるわけではありません。
成果へのプレッシャー
高い報酬に見合うだけの成果を、常に厳しい納期の中で出し続けることが求められます。実力主義の世界であり、パフォーマンスに対するプレッシャーは常に存在します。
自律性の要求
手厚いOJTが用意されている事業会社とは異なり、自ら能動的に学び、キャッチアップしていく姿勢が不可欠です。「教えてもらう」のではなく「盗んで学ぶ」というマインドが求められる場面も少なくありません。
転職を考える上では、こうした光と影の両面を正しく理解することが重要です。面接の場などを活用し、働き方の実態について具体的な質問をしたり、OpenWorkなどの口コミサイトでリアルな情報を収集したりすることも有効です。
Q: 人事制度コンサルティングを手掛けるファームには、どのような種類がありますか?
人事制度コンサルティングを提供するファームは、その成り立ちや専門領域によって、いくつかのタイプに大別できます。それぞれの特徴を理解することは、自身のキャリアプランに合ったファームを選ぶ上で非常に重要です。
総合系・Big4系ファーム
デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの「Big4」に加え、アクセンチュアや日本IBMなどが含まれます。巨大な総合コンサルティングファームの中に、組織・人事領域を専門とする部門が存在します。
組織人事専門ブティックファーム
マーサー、コーン・フェリー、ウィリス・タワーズワトソンなどが代表格です。組織・人事領域に特化し、グローバルで高い専門性とブランドを確立しています。
日系・国内独立系ファーム
リンクアンドモチベーション、リクルートマネジメントソリューションズ、野村総合研究所(NRI)などが挙げられます。日本市場に根差した独自のメソドロジーや強みを持っています。
戦略系ファーム
ボストン コンサルティング グループ(BCG)などに代表される戦略系ファームも、全社戦略の一環として、組織再編や経営幹部の人材戦略といったテーマを扱うことがあります。
Q: 「総合系ファーム/Big4」で働くことの特徴、メリット・デメリットは何ですか?
特徴
最大の特徴は、その規模とサービスの幅広さです。人事領域に留まらず、経営戦略、M&A、財務、IT、税務など、企業経営に関わるあらゆる専門家を擁しています。そのため、人事制度改革をITシステムの導入とセットで提案したり 、M&Aのデューデリジェンスから人事制度の統合(PMI)までを一気通貫で支援したりと、部門横断的な大規模プロジェクトが多いのが特徴です。
メリット
大規模・複合的なプロジェクト経験
全社的なデジタルトランスフォーメーションやグローバルな組織再編など、人事という枠を超えたダイナミックな変革に携わる機会が豊富です。これにより、経営を俯瞰する広い視野が養われます。
豊富なリソースとグローバルネットワーク
世界中の拠点に蓄積されたナレッジや最新のテクノロジー、各分野の専門家といった社内リソースを最大限に活用できます。
高いブランド力
ファームの知名度が高く、その後のキャリア形成においても有利に働くことが多いです。
デメリット
専門性の深化
幅広いプロジェクトに関わる可能性がある反面、特定の領域における深い専門性を短期間で身につけることは、専門ブティックファームに比べて難しい場合があります。
組織の規模
組織が大きいため、意思決定プロセスが複雑であったり、縦割り意識が存在したりする可能性も否めません。
テクノロジー案件の比重
多くのプロジェクトが大規模なシステム導入を伴うため、純粋な戦略や組織文化といった定性的なテーマに特化したいと考える人には、ミスマッチが生じる可能性もあります。
Q: 「組織人事専門ブティックファーム」で働くことの特徴、メリット・デメリットは何ですか?
特徴
組織・人事領域における「専門家集団」です。マーサーの報酬データベースや、コーン・フェリーのコンピテンシーモデルのように、業界標準となっている独自のデータやメソドロジーを保有していることが多く、この分野におけるソートリーダーシップを発揮しています。役員報酬や年金、エグゼクティブアセスメントなど、極めて専門性が高く、経営へのインパクトが大きいテーマを扱います。
メリット
深い専門性の獲得
組織・人事コンサルタントとしての専門性を徹底的に磨くには最適な環境です。その分野の第一人者から直接学ぶ機会も多く、短期間でエキスパートへと成長できます。
高いプロフェッショナリズム
周囲は同じ領域のプロフェッショナルばかりであり、知的に刺激的な環境で働くことができます。
明確なキャリア
人事領域の専門家としてキャリアを築いていく道筋が明確です。
デメリット
プロジェクト領域の限定
プロジェクトは組織・人事領域に限定されます。そのため、総合系ファームのように、事業戦略やオペレーション改革といったテーマに直接関わる機会は少なくなります。
採用のハードル
専門性が高いため、人事領域への強い興味や関連経験を求められることが多く、全くの異分野からの転職は総合系ファームに比べてハードルが高い可能性があります。
組織規模
組織が比較的小規模なため、総合系ファームほどの多様な社内異動の選択肢はないかもしれません。
Q: 「日系ファーム」で働くことの特徴、メリット・デメリットは何ですか?
特徴
日本のビジネス環境や企業文化、労働慣行に対する深い理解を強みとしています。リンクアンドモチベーションの「モチベーションエンジニアリング」や、リクルートマネジメントソリューションズの適性検査「SPI」を基盤としたアセスメント技術など、独自の理論やツールを開発・提供しているファームが多いのも特徴です。また、制度を設計して終わりではなく、それが現場で確実に運用され、組織に根付くまでを支援する「実行支援」を重視する傾向があります。
メリット
日本企業への深い貢献
日本企業の特性を深く理解した上で、きめ細やかなコンサルティングを提供できるため、顧客から強い信頼を得やすいです。
独自のスキルセット
各社独自のメソドロジーを習得することで、他ファームのコンサルタントとは一線を画すユニークな専門性を身につけることができます。
強固な国内ネットワーク
長年にわたって築き上げてきた国内企業との強固なリレーションシップがあります。
デメリット
グローバル案件の機会
海外拠点を有するファームもありますが、業務の中心は国内市場であり、グローバルな大規模プロジェクトに関わる機会は外資系ファームに比べて少ない可能性があります。
処遇
報酬水準は国内ではトップクラスですが、世界的なトップティアファームと比較すると、最高水準額では見劣りする場合があります。
国際的な知名度
グローバルなキャリアを志向する場合、海外でのブランド認知度は外資系ファームに劣る可能性があります。
Q: 主要コンサルティングファーム(Big4、アクセンチュア、マーサー、コーン・フェリー等)のカルチャーや強みの違いを教えてください。
各ファームは、同じ組織人事コンサルティングという領域にありながら、その成り立ち、強み、カルチャーは大きく異なります。転職活動においては、この違いを深く理解し、自身の志向と最もフィットするファームを見極めることが成功の鍵となります。
デロイト トーマツ コンサルティング (DTC)
Big4の中でも圧倒的な規模を誇り、人事、戦略、IT、税務、監査といった各部門が連携し、ワンストップでサービスを提供できる総合力が強みです。コラボレーションを重視する文化があります。
PwCコンサルティング
「人財」価値の最大化をミッションに掲げ、クライアントの変革を支援します。コアなしフレックスタイム制度など、個人の裁量を尊重する柔軟な働き方が浸透していることで知られています。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
「Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)」というパーパスを経営の中核に据え、グローバル連携を強みとしています。ダイバーシティ&インクルージョンの推進にも積極的で、風通しの良いカルチャーが特徴です。
KPMGコンサルティング
日本では比較的新しい組織であり、挑戦的な風土があります。クライアント先に常駐するのではなく、プロジェクトごとにCxOクラスと対峙するスタイルを特徴とし、若手から経営視点を養う機会が豊富です。
アクセンチュア
世界最大級の総合コンサルティングファームであり、特にテクノロジーとデジタルを活用した大規模な変革(トランスフォーメーション)に圧倒的な強みを持ちます。人材育成への投資も手厚いことで知られています。
マーサー
世界最大級の人事専門コンサルティングファーム。特に報酬や年金分野におけるグローバルなデータと、それに基づく分析力は他の追随を許しません。カルチャーは協調的かつプロフェッショナルと評されます。
コーン・フェリー
リーダーシップ開発やコンピテンシーモデルのパイオニアとして知られ、経営層に対するコンサルティングに強みを持ちます。米国的な実力主義と日本的な調和が融合した、自律したプロフェッショナルが求められる独特の文化があります。
リンクアンドモチベーション
「モチベーションエンジニアリング」という独自の基幹技術を武器に、組織診断から変革実行までを支援します。「熱く、強く、気持ち良い」と表現される、エネルギッシュで成長意欲の高いカルチャーが特徴です。
リクルートマネジメントソリューションズ
リクルートグループの豊富な知見と、適性検査「SPI」に代表されるアセスメント技術が強みです。机上の空論で終わらない、現場での実行可能性を重視したコンサルティングを提供します。
野村総合研究所 (NRI)
日本を代表するシンクタンク系コンサルティングファーム。「組織は戦略に従う」という命題を重視し、知的でアカデミックなアプローチが特徴です。「相互尊重」の文化のもと、「本物の専門家」を育成することに注力しています。
ファーム名 | 分類 | 特徴と強み | プロジェクトの傾向 | カルチャー・働き方 | 求める人材像 | キャリアパスの特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
デロイト トーマツ コンサルティング (DTC) | Big4 | 圧倒的な規模と総合力。他部門(税務・監査等)との連携。グローバル人事。 | 大規模なグローバル人事制度改革、M&A、HR-Tech導入。構想策定から運用まで一貫支援。 | コラボレーション志向。自分の専門領域以外にも関心を持つ人材を好む。 | コラボレーション志向、グローバル志向。 | DTC内の他ユニットや海外拠点との連携を通じた多様な経験。 |
PwCコンサルティング | Big4 | 「人財」価値の最大化がミッション。柔軟な働き方(コアなしフレックス、FWA制度)。 | ジョブ型3.0、戦略的人材マネジメント、組織変革。 | 自主性を尊重。オン・オフのメリハリを重視。ハイブリッドワークが浸透。 | オーナーシップと自主性、コラボレーション能力、思考力。 | グループ間のパートナーシップ体制により、戦略から税務・法務まで幅広い課題解決に関与可能。 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング | Big4 | グローバル連携とパーパス経営("BBWW")。ダイバーシティ&インクルージョン推進。 | 人的資本経営、クロスボーダーM&A、金融機関向け人事コンサル。 | フラットで風通しの良いカルチャー。柔軟な働き方(EYフレリモ)。離職率が低い。 | HR Disrupter。現状を打破し、新しいものを創造する意欲のある人材。 | キャリアチェンジ制度があり、チーム間の異動が可能。グローバルに活躍できる育成に注力。 |
KPMGコンサルティング | Big4 | 2014年設立の若い組織。プロジェクト型(非客先常駐)。CxOレベルとの直接対話。 | 人事制度設計、組織風土改革、人材育成。監査法人からの案件紹介も多い。 | 手を挙げれば挑戦できる文化。平均残業時間は比較的少なめだがプロジェクトによる。 | 誠実さ(Integrity)、挑戦する勇気(Courage)。経営視点での思考力。 | 若手から経営アジェンダに関わる機会。ジュニアはサービスライン、シニアはセクター軸に所属。 |
アクセンチュア | 総合系 | 世界最大級。戦略から実行までEnd-to-End。テクノロジーとデジタルに圧倒的な強み。 | 大規模なデジタルトランスフォーメーションに伴う組織・人材変革。HR-Tech導入。 | 多様性を尊重し、人材への投資を惜しまない。柔軟な働き方(在宅、短時間勤務)を推進。 | 経営視点、変革推進力。HR系SaaS経験者や転職エージェント経験者もターゲット。 | グローバル共通の明確なキャリアパス(アナリスト~MD)。ピープルリード制度による手厚いサポート。 |
マーサー | 専門ブティック | 世界最大級の人事コンサル。報酬・年金分野のデータと知見に強み。 | 役員報酬、M&A、福利厚生・年金制度、グローバル人事。データドリブンなアプローチ。 | 協調的で穏やかだが、成果主義。WLBは比較的良好。 | 「情熱を持ったアナリスト」。高い論理的思考力と人事領域への強い関心。 | グローバル統一のキャリアレベル。専門性を深く追求するパス。海外拠点への挑戦機会も豊富。 |
コーン・フェリー | 専門ブティック | リーダーシップ開発、コンピテンシーモデルのパイオニア。エグゼクティブ層に強み。 | 役員体制改革、ジョブ型制度導入、サクセッションプランニング。経営層との直接対話が中心。 | 米国的な実力主義と日本的な調和の融合。自律したプロフェッショナル集団。 | 成熟性、勇気、知的好奇心、協調性。高い英語力と論理的思考力。 | パフォーマンスに完全連動した昇進と報酬。若手でもシニアと直接仕事をする機会が多い。 |
リンクアンドモチベーション | 日系 | 「モチベーションエンジニアリング」という独自技術が中核。 | 組織診断サーベイを起点とした組織変革、ミッション・バリュー浸透。 | 「熱く、強く、気持ち良い」。活気があり、20代の成長環境として高評価。 | 企業理念への強い共感。営業経験者など、目標達成への執着心が強い人材。 | 12段階の明確な「クラス」制度。4倍速の成長を促す四半期ごとの評価サイクル。 |
リクルートマネジメントソリューションズ | 日系 | リクルートグループの知見とSPI等のアセスメント技術が強み。 | 人事制度設計・運用、採用力強化、営業力強化。現場の実行を重視。 | リクルート由来の当事者意識を重視する文化。 | 企画要素の強い業務経験者。顧客接点経験。 | リクルートグループ内でのキャリアの可能性。専門性を深める多様な職種。 |
野村総合研究所 (NRI) | 日系 (シンクタンク系) | 「組織は戦略に従う」を重視する知的でアカデミックなアプローチ。 | 人的資本開示、日本型ジョブ型人事制度、組織開発・チェンジマネジメント。 | 「相互尊重」の文化。オープンで心理的安全性が高い。働きがい共創を推進。 | 戦略的思考力、高い専門性、ファシリテーション能力。 | 「高度専門性追求」と「キャリア自律」が柱。専門職向けの20のキャリアフィールド。 |
Q: 転職活動では、どのような点が評価されますか?
コンサルティングファームの選考では、職務経歴書に書かれた経験だけでなく、候補者のポテンシャルやファームとの適合性が多角的に評価されます。
ケース面接
論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力を評価するための中心的な選考プロセスです。人事コンサルティングのケース面接では、「特定の事業課題を抱える企業の新人事制度を設計せよ」といった課題が出されることが多く、課題の本質を見抜き、構造的に解決策を導き出す能力が試されます。
志望動機とカルチャーフィット
「なぜコンサルタントなのか」「なぜこのファームなのか」という問いに対する、一貫性のあるストーリーが極めて重要です。各ファームのカルチャーや強みを事前に深く理解し、自身の経験や価値観とどう結びつくのかを具体的に語る必要があります。
コミュニケーションスタイル
特に人事コンサルタントは、クライアントの経営層と信頼関係を築くための人間的な成熟度や対人能力も重視されます。面接官は、候補者がシニアクライアントの前に出ても遜色ない人物かどうかを見ています。
特に重要なのが、「なぜ人事領域なのか?」という問いに対する答えです。戦略やITコンサルティングであれば、ビジネスやテクノロジーへの純粋な興味が志望動機になり得ますが、人事コンサルティングは「人」という非常にデリケートなテーマを扱います。そのため、ファーム側は、人事領域をコンサル業界への「入りやすい入り口」と安易に考えている候補者を警戒する傾向があります。
この領域で評価されるのは、自身の原体験に基づいた、説得力のあるストーリーです。例えば、「前職で営業マネージャーとして、チームの業績を左右するのは製品力以上にメンバーのモチベーションや評価制度だと痛感した経験」や、「M&Aを経験し、事業の成功が統合後の組織文化の融合にかかっていることを目の当たりにした経験」など、過去の経験と「組織と人の課題を解決したい」という想いを結びつけて語ることができれば、志望動機の信憑性は格段に高まります。この「Why HR?」の物語を構築することが、選考を突破するための成否を分けると言っても過言ではありません。
Q: 自身のキャリアプランに合ったファームを選ぶには、どうすればよいですか?
最適なファームを選ぶためには、まず自己分析から始めることが不可欠です。自身の長期的なキャリアゴール、得意なこと、成長させたいスキル、そしてどのような環境で働きたいのかを深く掘り下げることが第一歩となります。
その上で、以下のステップでファーム選びを進めることを推奨します。
1. ファームの類型を理解する
まずは、第3部で解説した「総合系」「専門ブティック」「日系」といったファームの類型を参考に、大まかな方向性を定めます。幅広い経営課題に触れたいのか、特定の分野で誰にも負けない専門性を築きたいのか。グローバルな舞台で活躍したいのか、日本の企業に深く貢献したいのか。自身の志向性に合わせて絞り込みます。
2. 徹底的な情報収集
興味のあるファームが見つかったら、公式ウェブサイトの情報だけでなく、そのファームが発信しているホワイトペーパーや書籍、コンサルタントのメディア露出などをチェックし、どのような思想や方法論を持っているのかを深く理解します。Q13の比較表に記載されているような、各社の強みやプロジェクトの傾向を参考に、さらに掘り下げていきましょう。
3. 専門家からの情報を得る
最も重要なのが、内部のリアルな情報を得ることです。ムービンのようなコンサルティング業界に特化した転職エージェントには、業界出身のキャリアコンサルタントが多数在籍しています。彼らは、ウェブサイトだけでは決して得られない、各ファームの組織文化、プロジェクトの実態、最新の採用動向といった「生きた情報」を持っています。キャリア相談を通じて、自身のキャリアプランについて客観的なアドバイスを受け、最適なファーム選びから選考対策まで、一貫したサポートを受けることが、転職成功への最短ルートとなるでしょう。
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