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EYストラテジー・アンド・コンサルティング(組織・人材マネジメント)


EYストラテジー・アンド・コンサルティング(組織・人材マネジメント)

EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)は、世界4大会計事務所(BIG4)の一角であるEYの日本のメンバーファームです。
全世界150カ国以上に広がる強固なグローバルネットワークと、各分野のプロフェッショナルが連携することで、クライアントの複雑な経営課題を解決に導いています。特に「人を中心に据え(humans@center)、迅速にテクノロジーを実用化し(technology@speed)、大規模にイノベーションを推進する(innovation@scale)」というアプローチで、クライアントの変革を支援し、社会に長期的価値を創出することを目指しています。2020年10月に現在の体制となり、従業員数は4,000名を超えるなど、急成長を続けている点も大きな魅力です。

EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC) 最新求人

EYストラテジー・アンド・コンサルティング(組織・人材マネジメント)について

会社概要:EYストラテジー・アンド・コンサルティング

社名 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
URL https://www.ey.com/ja_jp/about-us/ey-strategy-and-consulting
代表 代表取締役社長 近藤 聡
代表取締役 梅村 秀和
代表取締役 吉川 聡
代表取締役 ペーター・ウェスプ
設立 2020年 10月
※EY Japanの経営コンサルティングを担うConsultingサービスラインと、戦略的トランザクションを支援するStrategy and Transactionsサービスラインを擁する法人として業務開始
所在地 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー

組織・人材マネジメント/People Advisory Services(PAS)

グローバルでは「People Advisory Services(PAS)」と呼ばれるこのサービスラインは、日本では主に「People Consulting(PC)」という名称で展開されています。これは、単なる人事コンサルティングの枠を超え、クライアント企業の最も重要な資産である「人」と「組織」のポテンシャルを最大限に引き出し、企業価値の向上に貢献することをミッションとしています。

PC部門は自らを「HR Disrupter(人事の世界の破壊的創造者)」と位置づけており、旧来の常識にとらわれない革新的なアプローチで、クライアントが直面する複雑な課題解決を支援しています。

以下に、People Advisory Servicesが提供する主要なサービス領域を具体的に解説します。

組織変革とチェンジマネジメント (Organization & Change Management)

企業の成長戦略を実現するためには、組織そのものの変革が不可欠です。PASは、戦略の実行を確実にするための組織デザインから、変革期における従業員の意識改革までを包括的に支援します。

チェンジマネジメント
M&A、事業再編、大規模なシステム導入といった大きな変革プロジェクトにおいて、従業員の抵抗を乗り越え、新しい組織体制や業務プロセスへの円滑な移行を支援します。変革による影響を分析し、従業員の賛同を得るためのコミュニケーション戦略やトレーニングを企画・実行します。

DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス)戦略

多様性のあるインクルーシブな組織文化を構築するためのビジョン策定から、具体的なプログラムの実行までを支援します。これは、単なる社会貢献ではなく、企業の競争力を高めるための重要な経営戦略と位置づけられています。

デジタル組織・人材戦略
DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するための組織構造の設計、求められるデジタル人材の要件定義、育成、獲得までを一貫してサポートします。

タレントマネジメントと人材育成 (Talent Management & Development)

経営戦略の実現には、それを実行する「人」の力が不可欠です。PASは、人材の採用から育成、配置、リテンション(定着)に至るまで、一貫したタレントマネジメント戦略の構築を支援します。

タレントマネジメント戦略
経営目標の達成に向けて、どのような人材が必要かを定義し、その人材をいかにして確保・育成していくかの全体戦略を策定します。

サクセッションプランニング(後継者育成計画)
将来の経営を担うリーダー候補を早期に特定し、計画的に育成するための仕組みを構築します。

人材育成(タレントディベロップメント)
次世代リーダーや専門人材に求められるスキルやコンピテンシーを可視化し、効果的な研修プログラムの企画・実施を支援します。

HRトランスフォーメーション (HR Transformation)

デジタル時代の到来により、人事部門の役割も大きく変化しています。PASは、テクノロジーを活用して人事部門の業務効率を向上させ、より戦略的な役割を果たせるよう変革を支援します。

人事機能の再設計
最新のテクノロジーやデータ分析を活用し、人事部門のサービス提供モデルを再構築します。これにより、人事部門は管理業務から解放され、ビジネスに貢献する戦略パートナーへと進化することができます。。

HRテクノロジー導入支援
グローバル共通の人事プラットフォームや給与・勤怠管理システムなど、最新のHRテクノロジーの選定から導入、定着までを支援します。

人事・給与業務のアウトソーシング支援
給与計算や社会保険関連業務などを外部に委託(BPO)する際の構想策定から、業務移管、安定化までをサポートします。

ワークフォース戦略とアナリティクス (Workforce Strategy & Analytics)

将来の事業環境の変化を見据え、科学的なアプローチで人員計画を最適化します。

戦略的ワークフォースプランニング
経営戦略に基づき、中長期的に必要な人員数やスキル、人件費を分析・予測し、最適な人員構成の実現を支援します

ワークフォースアナリティクス
採用、離職、ハイパフォーマー分析など、人事関連のデータを収集・分析することで、データに基づいた客観的な意思決定を可能にします。

働き方改革支援
リモートワークや副業といった多様な働き方を支えるための労働環境整備や、関連規程の策定を支援します。。

外部人材管理
業務委託や派遣社員といった外部人材を効果的に活用・管理するための戦略策定やシステム導入を支援します。

グローバルモビリティと税務 (Global Mobility & Tax)

企業のグローバル展開に伴い複雑化する、国境を越えた人材の異動(モビリティ)に関する課題を解決します。

海外勤務者の税務・ビザ
海外赴任や海外からの受け入れに伴う所得税申告、二重課税の防止、ビザや就労許可の申請などをトータルでサポートします。

グローバル報酬制度
海外勤務者の給与や、グローバルで展開される株式報酬制度などに関する税務アドバイスを提供します。

EYSCのPeople Advisory Servicesは、人事領域におけるあらゆる課題に対して、戦略策定から実行支援、テクノロジー導入、税務アドバイスまで、ワンストップで包括的なソリューションを提供できる強力な体制を整えています。これは、事業会社での人事経験を持つ方々が、その専門性をより大きなスケールで活かし、企業の根幹からの変革に貢献できる、非常に挑戦的でやりがいのあるフィールドと言えます。

EYストラテジー・アンド・コンサルティング ピープル・アドバイザリー・サービス(EY PAS) インタビュー

EYストラテジー・アンド・コンサルティング ピープル・アドバイザリー・サービス(EY PAS) インタビュー

Big4の一角、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)株式会社は、2020年10月に組織再編しConsultingサービスラインと、戦略的トランザクションを支援するStrategy and Transactionsサービスラインを擁する法人としてスタート。EYジャパンピープル・アドバイザリー・サービスの新たなリーダー鵜澤氏をはじめ、他メンバーの方々に、なぜEYを選んだのか、実際に入ってみてのご感想や、これからEYをキャリアとしてお考えの方へのメッセージなどを伺って参りました。

People Consulting(人事コンサルタント)の魅力

EYSCのPeople Consulting(PC)部門は、自らを「HR Disrupter(人事の世界の破壊的創造者)」と位置づけ、旧態依然とした人事・組織の世界に変革をもたらすことをミッションとしています。事業会社での人事実務経験を、よりダイナミックな舞台で活かしたいと考える方にとって、EYSCは非常に魅力的なフィールドです。

PC部門が手掛けるプロジェクトは広範かつ最先端です。

HRトランスフォーメーション
M&A、事業再編、大規模なシステム導入といった大きな変革プロジェクトにおいて、従業員の抵抗を乗り越え、新しい組織体制や業務プロセスへの円滑な移行を支援します。変革による影響を分析し、従業員の賛同を得るためのコミュニケーション戦略やトレーニングを企画・実行します。

チェンジマネジメント
M&Aや大規模システム導入といった大変革期における組織変革の伴走支援

タレントマネジメント
次世代リーダー育成、サクセッションプランの構築

DE&Iコンサルティング:
クライアント企業におけるインクルーシブな文化の醸成支援

ワークフォースアナリティクスとHRテクノロジー
データを駆使した人員計画の最適化や、SAP Fieldglassなどの最新ツールの導入支援

現在も「People Consulting - 人事組織コンサルタント」といったポジションが積極的に募集されており 、その需要の高さがうかがえます。特に、このチームはここ数年で売上が約15倍に急拡大するなど、破竹の勢いで成長しており、新たな才能を強く求めています。これは、挑戦の機会が豊富にある一方で、自ら道を切り拓いていく気概が求められる環境であることを示唆しています。事業会社の人事経験者がその知見を活かし、より大きな経営課題の解決に挑むことで、自身の市場価値を飛躍的に高めることが可能です。

EYSCの人事・評価制度

EYSCは、従業員の成長こそが企業の成長の源泉であると確信しています。その思想は、個人の成長を最大限に支援するために設計された、先進的かつ手厚い人事・評価制度に明確に表れています。

個人のパーパスを実現する評価・育成サイクル

EYSCでは、「LEAD」と呼ばれる独自の評価制度が導入されています。この制度の最大の特徴は、過去の実績をランク付けするためだけでなく、未来の成長を促すための「育成ツール」として設計されている点です。

その中核をなすのが、「カウンセリー(被評価者である本人)」「評価者(プロジェクトの上長)」「カウンセラー(所属組織の上長)」の三者によるトライアングル体制です。プロジェクト単位で変わる評価者とは別に、キャリア全体を長期的な視点で見守り、支援するカウンセラーが存在します。このデュアルサポート体制により、短期的なプロジェクトでのパフォーマンス向上と、中長期的なキャリア目標の達成の両方が手厚くサポートされるのです。

この仕組みは、プロジェクトベースで働くコンサルタントにとって大きな安心材料となります。上司が頻繁に変わる環境でも、一貫して自分のキャリアを相談できるメンターがいることは、EYSCが人材育成に真摯に向き合っていることの証左です。評価サイクルを通じて行われる継続的な対話は、最終評価でサプライズが起こることを防ぎ、誰もが納得感を持って次の成長ステップに進むことを可能にしています。

世界レベルの学びの機会:EY Tech MBAと継続的学習支援

EYSCの人材育成への投資は、業界でも群を抜いています。その象徴が、Hult International Business Schoolと提携して提供される「EY Tech MBA」プログラムです。従業員は、業務と並行しながら、完全に無料でMBAの学位を取得できます。私費で取得すれば1,000万円近くかかることもある学位を無償で提供するという事実は 、EYSCが従業員の長期的なスキル開発に並外れた投資を行っていることを物語っています。
学びの機会はこれに留まりません。

・Udemyなどの外部オンライン学習サイトの無料利用
・データ分析やAIなどの新スキルを証明する社内資格認定制度「EY Badges」
・英語・日本語の語学学習支援

こうした制度は、常に自己研鑽を怠らないプロフェッショナル集団の文化を支えています。EYSCに参画することは、単に高い報酬を得るだけでなく、自身の市場価値を未来にわたって高め続けるための、最高の学習環境を手に入れることを意味します。

多様な働き方を支える「EYフレリモ」と福利厚生

EYSCは、従業員一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、柔軟でインクルーシブな働き方を推進しています。その中核となるのが、「EY Flex & Remote(フレリモ)」と呼ばれる制度です。フルフレックスタイム制やリモートワークはもちろんのこと、全国各地でのリモート業務を可能にする「移住プログラム」まで整備されており、従業員が自律的に働き方をデザインできる環境が整っています。

さらに、従業員のウェルビーイングを包括的に支える福利厚生制度も非常に充実しています。

制度分類 主な制度内容

休暇制度

年次有給休暇(初年度15日), 創立記念日 , 妊活休暇 , ボランティア休暇

健康・ウェルビーイング支援

カフェテリアプラン(医薬品購入や旅行等に利用可), メンタルサポートサービス , 法人契約スポーツクラブ

経済的支援

企業型確定拠出年金(401k), 退職金制度 , 在宅勤務手当

家族・育児支援

ベビーシッター利用補助制度 , 育児休業(父母ともに子が2歳になるまで取得可), 育児コンシェルジュサービス

これらの手厚い制度は、EYSCが従業員の仕事(ワーク)だけでなく、人生(ライフ)全体の充実を真剣に考えていることの表れです。

EYSCの年収とキャリアパス

プロフェッショナルとしてのキャリアを選択する上で、報酬と成長機会は極めて重要な要素です。EYSCは、業界トップクラスの報酬水準と、実力に応じた明確なキャリアパスを提供することで、優秀な人材の貢献に報い、その市場価値を最大化する環境を整えています。

業界トップクラスの年収水準

EYSCの年収は、BIG4コンサルティングファームの中でも非常に競争力の高い水準にあります。各種転職サイトのデータには幅がありますが、ハイクラス層の登録が多い媒体では平均年収が1,393万円という報告もあり 、これはコンサルタント職以上のプロフェッショナルにとって現実的な水準を示唆しています。

報酬は、安定した年俸に加え、個人とチームの業績に応じて年2回支給される賞与(ボーナス)で構成されます。これにより、高いパフォーマンスが直接報酬に反映される仕組みとなっています。役職別の年収レンジは、キャリアの道筋と経済的な目標を具体的に描く上で重要な指標となります。

役職 年収レンジ(推定)

コンサルタント (Consultant)

550万円~700万円

シニアコンサルタント (Senior Consultant)

700万円~1,000万円

マネージャー (Manager)

1,000万円~1,400万円

シニアマネージャー (Senior Manager)

1,200万円~1,800万円

ディレクター/アソシエイトパートナー

1,600万円~2,100万円以上

パートナー (Partner)

2,500万円~

特にシニアコンサルタント以降の昇給率が高く、30代で年収1,000万円を超えることは現実的な目標です。

実力主義に基づく明確なキャリアラダー

EYSCのキャリアパスは、コンサルタントから始まり、シニアコンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、そしてパートナーへと続く、明確な階梯(ラダー)で構成されています。

各役職にはおおよその在籍年数の目安がありますが(例:コンサルタント1~3年、シニアコンサルタント4~7年)、EYSCのカルチャーは年功序列ではなく、完全な実力主義です。卓越した成果を上げた人材は、年次に関わらずスピーディーに昇進することが可能です。実際、入社後わずか1年3ヶ月でマネージャーからシニアマネージャーへと昇格した事例も報告されており 、これは高いパフォーマンスが正当に評価され、迅速にキャリアアップに繋がる文化の証です。

この透明性の高いキャリアパスと実力主義の文化は、「明確な道筋があり、実力を示せばその道を驚くべき速さで駆け上がることができる」という、意欲的なプロフェッショナルにとって非常に魅力的な環境を提供します。

社内異動制度とポストコンサルキャリア

EYSCでのキャリアは、一つの部署に固定された硬直的なものではありません。従業員が自身のキャリアプランに合わせてチーム間を異動できる柔軟な「キャリアチェンジ制度」が用意されています。特にキャリアの初期段階では、特定のユニットに所属せず、様々な業界やテーマのプロジェクトを経験することで、自身の興味や適性を見極める期間が設けられています。

また、EYSCで得られる経験は、社内だけでなく、社外においても極めて高い価値を持ちます。EYという一流ブランド、ロジカルシンキングや問題解決能力といった徹底的なトレーニング、そして大企業の経営層が直面する課題への深い洞察は、「ポストコンサルキャリア」として、事業会社、金融機関、スタートアップなど、あらゆる分野で引く手あまたの人材となることを約束します。

EYSCへの転職は、長期的に社内でキャリアを築く道と、数年後にさらなる飛躍を目指す道、その両方の扉を開く、リスクが低くリターンの大きい戦略的な選択と言えます。

EYSCの転職するためのポイント

EYSCというトップファームへの転職を成功させ、入社後に活躍するためには、周到な準備と適切な心構えが不可欠です。ここでは、具体的なキャリアチェンジの事例から得られるインサイトと、選考を突破するために求められる人物像について解説します。

【事例】事業会社人事から人事コンサルタントへの飛躍

事業会社の人事部門からEYSCのPeople Consulting部門へ、というキャリアチェンジは、確立された成功パターンの一つです。実際に、事業会社の人事や営業職を経験した後にEYSCのコンサルタントとして活躍している方が多数在籍しています。

彼らの転職動機には共通点が見られます。それは、日々のオペレーション業務から一歩踏み出し、「経営戦略の視点から人事施策に携わりたい」、あるいは「自らの経験を活かして、より多くの企業の変革を支援したい」という強い想いです。

このキャリアチェンジを成功させる鍵は、事業会社で培った人事領域の深い知見を強みとしながら、コンサルタントに求められる論理的思考力、課題解決能力、クライアントとのコミュニケーション能力を迅速にキャッチアップすることです。EYSCは、事業会社出身者が持つ現場感覚や実務知識を高く評価しており、彼らがコンサルタントとしてスムーズに移行できるようサポートする体制と文化が整っています。この道は挑戦的ですが、成功すればキャリアと年収の両面で大きな飛躍が期待できる、非常にリターンの大きい選択です。

選考プロセスと求められる人物像

選考は、転職エージェントからの応募(アプライ)、公式ウェブサイトからのオンラインエントリーなどを経て 、書類選考、そして複数回の面接(コンサルティング職の場合はケース面接を含む)というプロセスが一般的です。このプロセスを通じて見極められるのは、貴殿がEYSCで活躍できるポテンシャルを持っているかどうかです。

求められる人物像は、募集要項や社風に関する情報から、以下のように集約できます。

基礎能力
論理的思考力、高いコミュニケーション能力は必須です。

マインドセット
チームメンバーと切磋琢磨しながら成長し、クライアントを通じて社会に貢献したいという強い意志が求められます。

姿勢
指示を待つのではなく、自ら課題を見つけ、主体的に行動できるプロアクティブな姿勢が重要です。また、華やかな戦略論だけでなく、「地に足の着いた」地道な努力を厭わない実直さも高く評価されます。

EYSCは現在、急成長の過程にあり、組織や文化もダイナミックに進化しています。これは、完成された組織に「フィット」することだけを求めるのではなく、むしろ、その成長過程に積極的に関与し、共に組織を創り上げていく気概のある人材を求めていることの表れです。面接では、ご自身のスキルや経験に加え、この変化を好機と捉え、貢献できるという強い意欲を示すことが成功の鍵となります。

EYSC【組織・人材マネジメント/People Advisory Services(PAS)】転職希望者のためのFAQ

Q: EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)とは、どのような企業で、市場での立ち位置はどのようになっていますか?

EYSCは、世界4大会計事務所(Big4)の一角であるEYの日本におけるメンバーファームであり、コンサルティングサービスと、戦略的トランザクションを支援するストラテジー・アンド・トランザクションサービスを担う法人です。

特筆すべきは、2020年10月に行われた組織再編です。この再編は単なる管理上の変更ではなく、極めて戦略的な一手でした。従来のコンサルティング部門と、M&Aなどを手掛けるトランザクション部門を統合したことにより、EYSCはクライアントの経営課題に対して「戦略策定(何をすべきか)」から「実行支援(M&Aや組織改革をどう進めるか)」まで、一気通貫で価値を提供できる体制を構築しました。この統合されたアプローチは、純粋な戦略コンサルティングファームや、部門間の連携が比較的緩やかな他の総合系ファームに対する明確な差別化要因となっています。

例えば、クライアントが新規市場への参入を検討する場合、市場参入戦略の策定(ストラテジー)、買収ターゲットの選定と実行(トランザクション)、そして買収後の組織・人事統合(コンサルティング)という一連のプロセスが発生します。EYSCの組織構造は、このバリューチェーン全体をシームレスに支援するために設計されています。

この構造は、EYがグローバルに掲げる「Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)」というパーパス(存在意義)を体現するものであり、クライアントの変革をリードする「Transformative Leader」の育成と支援を目指すという同社のコンセプトにも直結しています。転職希望者にとってこれは、担当するプロジェクトが単なる個別課題の解決に留まらず、企業の根幹に関わる大規模かつ複合的な変革の一翼を担う可能性が高いことを意味します。

Q: EYSCのコンサルティング部門は、どのような組織体制になっていますか?

EYSCは、多くの大規模コンサルティングファームと同様に、専門領域(コンピテンシー)と業界(セクター)を掛け合わせたマトリクス型の組織体制を採用しています。

コンピテンシー(専門領域別のユニット)
戦略コンサルティング(EY-Parthenon)、PMI(M&A後の統合支援)・組織再編、ファイナンス、サプライチェーン、テクノロジー、リスク、そして組織・人材マネジメント(People Advisory Services - PAS)など、専門的なサービスを提供するチームで構成されています。

セクター(業界別のチーム)
テクノロジー・メディア・通信、金融、エネルギー、自動車、消費財・小売など、特定の業界に特化したチームが存在し、業界固有の課題に対する深い知見を提供します。

このマトリクス構造により、クライアントの課題に対して、深い専門知識と具体的な業界インサイトの両方を組み合わせた最適なチームを編成することが可能になります。転職者にとって、これは自身のキャリアが単線的ではなく、「専門性(例:PAS)」という主軸と「業界(例:金融)」という副軸を持ちながら、多角的に成長できる環境であることを示唆しています。

また、新卒や若手の中途採用者は、入社後すぐに特定のユニットに配属されるのではなく、ACG (Advisory Consultant Group) / TCG (Technology Consultant Group) と呼ばれるプールに所属し、様々なプロジェクトを経験する機会が与えられます。これは、特にキャリアチェンジを考えている転職者にとって、自身の適性や興味を見極めた上で専門分野を決定できるという大きなメリットがあります。

Q: People Advisory Services(PAS)ユニットは、具体的にどのようなサービスを提供していますか?

PASは、単なる伝統的な人事コンサルティングではありません。経営資源の三要素であるヒト・モノ・カネのうち、「ヒト」を企業の競争優位の源泉と捉え、ビジネス変革における人的側面を戦略的に支援する部門です。そのサービスは多岐にわたり、大きく3つのレベルに分類できます。

戦略レベル
企業の経営戦略や事業戦略と連動した人事・組織変革戦略の立案を支援します。これには、長期的な人材ポートフォリオの策定や、人的資本経営を通じた企業価値向上などが含まれます。

変革レベル
M&A、事業再編、デジタルトランスフォーメーション(DX)といった大規模な経営イベントに伴う組織・人材面の課題解決を支援します。チェンジマネジメント(変革管理)やタレントマネジメントを通じて、変革を成功に導きます。

専門・技術レベル
グローバルに事業展開する企業の人材(海外駐在員など)に関する国際税務(グローバルモビリティ)、役員報酬制度の設計、M&Aにおける人事デューデリジェンスといった高度な専門知識を提供します。また、SAP SuccessFactors®を中核とした独自ソリューション「HR360」の導入支援など、HRテクノロジーを活用した変革も手掛けます。

このように、PASは戦略立案から制度設計、テクノロジー導入、税務といった実務までを網羅する「フルスタック」なヒューマンキャピタル・コンサルティングを提供しています。これは、PASが単なる「ソフトスキル」を扱う部門ではなく、定量的かつ厳密なアプローチを重視する専門家集団であることを示しています。したがって、事業会社の経営企画担当者、ITプロジェクトのチェンジマネージャー、人事のプロフェッショナル、さらには税務の専門家まで、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できるフィールドが広がっています。

Q: PASチームが手掛けた代表的なプロジェクトには、どのようなものがありますか?

PASが関与するプロジェクトは、単独の人事課題に留まらず、クライアントの経営戦略の根幹に深く関わっている点が特徴です。

中長期戦略に資する人材ポートフォリオ策定
企業の経営戦略や事業戦略と連動した人事・組織変革戦略の立案を支援します。これには、長期的な人材ポートフォリオの策定や、人的資本経営を通じた企業価値向上などが含まれます。

クロスボーダーM&Aにおける包括的支援
海外企業を買収する際に、人事デューデリジェンス(人事面のリスク評価)から、買収後の組織・人事制度の統合(PMI)、リーダーシップ育成までを、財務やビジネスの専門家と連携しながら包括的に支援します。

グローバルタレントマネジメントとSAP SuccessFactors導入支援
グローバルで統一された人材管理の方針を策定し、それを実現するための基盤として、クラウド人事システムであるSAP SuccessFactorsを導入するプロジェクトです。

人的資本経営による企業価値向上支援(シスメックス社の事例)
ヘルスケア大手のシスメックス株式会社に対し、人的資本戦略と経営・事業戦略を一体化させることで、企業価値向上を支援。これは「人事の改善」が目的ではなく、「人事を通じた企業価値の向上」を目的とした典型的な戦略的プロジェクトです。

社会的価値の可視化支援(SMBCグループの事例)
SMBCグループが経営戦略として掲げる「社会的価値の創造」に向け、そのインパクト(効果)を可視化する取り組みを支援。これは、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の高まりの中で、PASが「S(社会)」や「G(ガバナンス)」の領域で重要な役割を果たしていることを示しています。

これらの事例から明らかなように、PASのコンサルタントは、M&A、長期戦略、ESGといった、現代のCEOが直面する最重要課題の解決に直接関与します。これは、機能的な人事の専門家から、企業の最も価値ある資産である「人」を軸にした真の戦略アドバイザーへと飛躍する機会を提供します。

Q: EYSCの中途採用における、典型的な選考プロセスはどのようなものですか?

EYSCの中途採用は通年で行われており、第二新卒から即戦力となるシニアレベルまで幅広く募集しています。選考プロセスは一般的に以下の流れで進みますが、ポジションや候補者の経歴によって変動する可能性があります。

応募
ムービンのようなEYSCや他Big4コンサルと精通している転職エージェント経由、または公式ウェブサイトの採用ページで応募します。

書類選考・適性検査
提出された職務経歴書やレジュメに基づき、これまでの経験やスキルが評価されます。同時に、Webでの適性検査が課されることが一般的です。

面接
平均して3回程度の面接が実施されます。面接官は、現場のマネージャーからシニアマネージャー、最終的にはパートナーへと、段階的に上位の役職者になります。

会社説明会や1日で選考が完結するイベントが開催されることもあり 、積極的な採用姿勢がうかがえます。また、社員紹介制度も重視されており、期間によっては紹介経由での入社者に一時金が支給されるケースもあるため、知人が在籍している場合はコンタクトを取ることも有効な手段です。

選考段階 主な内容と評価ポイント 候補者が準備すべきこと

1. 応募・書類選考

職務経歴書に基づき、論理的思考力、問題解決能力、EYSCの求めるスキル・経験との親和性を評価。

自身の経験を単に羅列するのではなく、課題解決のプロセス(Situation, Task, Action, Result)を明確にし、定量的な成果を盛り込む。応募ポジションで求められるスキル(例:グローバル経験、IT知見)を強調する。

2. 適性検査

論理的思考力、数的処理能力、言語能力など、コンサルタントとしての基礎能力を測定。

市販の問題集などで一般的なWebテスト(SPI、玉手箱など)の形式に慣れておく。

3. 面接(1次・2次)

フィット面接
志望動機(なぜコンサル、なぜEYSCか)、自己PR、過去の経験に関する深掘り。

ケース面接/技術面接
論理的思考力、問題解決能力、専門知識を評価。特定の課題(例:売上向上策)についてその場で分析・提案を行う。専門職では技術的な質疑応答が中心となる。

フィット面接対策
自己分析と企業研究を徹底し、「なぜEYSCでなければならないのか」を自身のキャリアプランと結びつけて語れるようにする。

ケース面接対策
フレームワークの暗記ではなく、構造化して考える思考プロセスをトレーニングする。転職エージェントが提供する模擬面接などを活用する。

4. 最終面接(パートナー)

パートナーが面接官となり、ビジネスパーソンとしての総合力、ビジネスセンス、カルチャーフィット、長期的な成長ポテンシャルを評価。

業界動向やマクロ経済に関する自身の見解を持つ。自身のキャリアビジョンとEYSCで成し遂げたいことを、高い視座で情熱をもって語る準備をする。

Q: EYSCへの中途採用での転職難易度はどの程度ですか?また、コンサルティング業界未経験者でも転職は可能でしょうか?

結論から言うと、EYSCへの転職難易度は非常に高いです。同社は非常に人気が高く、積極的に中途採用を行っている一方で、採用基準が下がっているわけではありません。そのため、入念な選考対策が不可欠となります。

しかしながら、重要なのは「コンサルティング業界未経験者でも転職の可能性は十分にある」という点です。この一見矛盾した状況を理解することが、転職成功の鍵となります。「難易度が高い」というのは、単に「コンサルティング経験者であること」を必須条件としているわけではないからです。EYSCが求めるのは、特定のスキルセットと経験であり、それらがコンサルタントとして活躍するためのポテンシャルを示すかどうかが問われます。
具体的には、以下のような経験やスキルを持つ人材が求められています。

企画系の経験
事業会社での経営企画、事業企画、マーケティング戦略などの経験。

ITを基盤とした業務改革の経験
基幹システム導入などを通じた業務改革や組織改革のプロジェクト経験は高く評価されます。

グローバルな業務経験
海外子会社の管理やクロスボーダープロジェクトの経験など、グローバルな環境での実務経験は大きなアドバンテージとなります。 

専門性
データサイエンスやサイバーセキュリティといった特定の専門分野における深い知見。

業界知識
業界知識:消費財・小売、金融、製造業など、特定の業界に関する深い知見。

したがって、コンサルティング業界未経験の候補者は、「コンサルタントになりたい」という漠然とした志望動機ではなく、「自身が持つ〇〇業界における△△の専門知識や経験を活かし、EYSCのプラットフォームを通じてクライアントの□□という課題を解決できる」という形で、自身の価値を具体的に提示する必要があります。事業会社での経験は、乗り越えるべきハンディキャップではなく、EYSCに貢献するための最大の資産なのです。

Q: 選考プロセスでは、どのような点が重点的に評価されますか?

EYSCの選考では、単なる知的能力だけでなく、多面的な要素が評価されます。理想的な候補者像は、深い専門性という「縦軸」と、幅広いコンサルティングスキルや協調性という「横軸」を兼ね備えた「T字型人材」と言えます。

コア・コンサルティングスキル
論理的思考力、仮説構築能力、問題解決能力、プレゼンテーション能力といった、コンサルタントとしての基本的な素養は必須です。

専門性(ドメイン知識)
特定の業界や業務領域に関する深い知見は、未経験者にとって最大の武器となります。特に、IT関連の知識やITを基盤とした業務改革の経験は、多くのプロジェクトで求められるため、高く評価される傾向にあります。

グローバルな視点
EYSCはグローバルネットワークを強みとしており、国を超えた連携プロジェクトを推進しています。そのため、事業会社でのクロスボーダープロジェクトや海外子会社の管理といった経験は、非常に高く評価されます。

チームワークと協調性
EYSCのカルチャーとして、チームでの協業が非常に重視されています。そのため、個人の成果だけでなく、チーム全体で成果を最大化しようとする姿勢、すなわち「協調性」が厳しく見られます。これは、個の力で突き進む「一匹狼」タイプよりも、周囲を巻き込みながら進める人材を好むという同社のカルチャーを反映した評価基準です。

知的好奇心
未知の課題に対して積極的に学び、挑戦することを楽しめる知的好奇心旺盛な姿勢も、重要な評価ポイントです。

Q: EYSCにおける、コンサルタントからパートナーまでの一般的なキャリアパスはどのようになっていますか?

EYSCでは、明確に定義されたキャリアの階梯が用意されており、各役職で求められる役割と責任が異なります。

・コンサルタント
・シニアコンサルタント
・マネージャー
・シニアマネージャー
・ディレクター / アソシエイトパートナー
・パートナー

中途採用者の場合、これまでの経験やスキルに応じて入社時の役職が決定されます。例えば、20代後半でコンサルティング未経験の場合はコンサルタント、30代で事業会社でのマネジメント経験がある場合はマネージャーとして入社するケースなどがあります。

このキャリアパスは単なる昇進のステップではなく、役割の質的な変化を伴います。

コンサルタント/シニアコンサルタント
プロジェクトの実行部隊として、情報収集、分析、資料作成といったタスクを高い品質で遂行することが主な役割です。

マネージャー
プロジェクト全体の管理、クライアントとの日常的な関係構築、チームメンバーの育成といった、プロジェクトマネジメントの責任を担います。

グローバルな視点
EYSCはグローバルネットワークを強みとしており、国を超えた連携プロジェクトを推進しています。そのため、事業会社でのクロスボーダープロジェクトや海外子会社の管理といった経験は、非常に高く評価されます。

シニアマネージャー以上
責任の比重が、プロジェクトのデリバリーからビジネスディベロップメント(新規案件の獲得)へと大きくシフトします。業界におけるソートリーダーシップの発揮や、ファーム全体の成長に貢献する活動(採用、人材育成など)も重要な役割となります。特に「案件獲得」への貢献度が評価の大きなウェイトを占めるようになります。

また、EYSCのキャリアパスの魅力の一つに、柔軟性があります。個人のキャリアプランに合わせて、ユニット(チーム)間を異動できるキャリアチェンジ制度が用意されており、自身の興味や市場のニーズに応じて専門性を広げたり、変えたりすることが可能です。

Q: 各職位における、想定される報酬レンジはどの程度ですか?

EYSCの報酬は、役職に応じてレンジが設定されており、個人のパフォーマンス評価によってそのレンジ内での金額や賞与が変動します。複数の情報源からデータを集約すると、役職別の年収レンジはおおよそ以下のようになります。ただし、これはあくまで目安であり、個人の経験、前職の給与、所属するユニット、そして会社全体の業績によって変動します。

職位 想定年収レンジ 備考・コンテクスト

コンサルタント

550万円~800万円

新卒、第二新卒、コンサル未経験の20代中途採用者が主に対象。

シニアコンサルタント

700万円~1,100万円

入社3~5年目程度で昇格。20代後半~30代前半のコンサル未経験者もこの役職で入社する場合がある。

マネージャー

1,000万円~1,500万円

プロジェクトマネジメントとクライアントリレーションを担う。年収1,000万円を超える重要な節目。

シニアマネージャー

1,500万円~2,000万円

案件獲得への貢献度が報酬に大きく影響するため、レンジが広くなる。

ディレクター/パートナー

3,000万円以上

報酬はファームへの貢献度(案件獲得、利益など)に大きく連動し、非常に高額になる。


複数の転職情報サイトや口コミサイトでは、EYSCの平均年収について903万円 から1,393万円 まで、様々な数値が提示されています。この差異は、データの収集方法(例:登録ユーザー層の違い)に起因すると考えられます。

Q: どのような研修制度や能力開発の機会が提供されていますか?

EYSCは、グローバル共通の人材育成フレームワーク「EYU(EY and you)」に基づき、人材育成に多大な投資を行っています。そのアプローチは、単なる座学研修に留まらず、個々の成長を最大化するための多様な機会を提供するものです。

基礎・専門スキル研修
ロジカルシンキング、プレゼンテーションスキル、コーチングといったコンサルタントの基礎スキルを学ぶ研修に加え、各ビジネス領域に特化したテクニカル研修が多数用意されています。

デジタルラーニング
オンライン学習プラットフォームである「Udemy」を無料で利用できるほか、英語や日本語の語学学習支援も提供されています。

グローバルな学習機会
オンラインで修士号を取得できる「EY Tech MBA」プログラムや、海外オフィスで働きながら語学や実務を学ぶグローバルクロスボーダープログラムなど、世界中のEYのナレッジにアクセスできる機会が豊富にあります。

EY Badge(バッジ)制度
データビジュアライゼーション、AI戦略、サステナビリティなど、将来的に重要となるスキルを習得したことを証明する社内認定制度です。これは、自身のスキルアップが抽象的なものではなく、社内外で価値を持つ具体的な「資格」として可視化されることを意味します。この先進的な取り組みは、従業員の市場価値向上に直結する大きなメリットと言えます。

EYSCの育成哲学は、「Transformative Leader」を育成することにあります。提供される学習機会は、変化の激しい時代に対応し、クライアントと社会の変革をリードできる人材を育むことを目的としており、継続的な自己成長を望むプロフェッショナルにとって非常に魅力的な環境です。

Q: EYSCでの仕事は「激務」なのでしょうか?ワークライフバランスの実態について教えてください。

コンサルティング業界に対しては「激務」というイメージを持つ方は多いのが現状かと思います。EYSCの働き方に関しても、情報源によって見解が分かれています。ある情報では、所定労働時間が7時間で月の平均残業時間は20時間前後であり、コンサルティング会社としては「かなりホワイト(働きやすい)」と評されています。一方で、別の情報では月の平均残業時間が47.3時間であり、「激務であると言える」と結論づけられています。

この一見矛盾した情報を読み解く鍵は、「コンサルタントの働き方は、常に一定ではない」という事実にあります。47.3時間という数値は、M&Aのデューデリジェンスやシステム導入の最終局面など、特に業務が集中する繁忙期のプロジェクトを含んだ「平均値」である可能性が高いです。一方で、20時間という数値は、比較的落ち着いたフェーズのプロジェクトにおける実態を反映していると考えられます。

実際に働く社員からも、「プロジェクト次第で労働環境が左右される」「本人の時間管理能力や要領の良さにもよる」といった声が挙がっています。

結論として、EYSCは会社としてワークライフバランスを重視する「制度」や「文化」を提供していますが 、コンサルティングという仕事の性質上、クライアントの期待に応えるために集中的に働く時期があることは避けられません。常に定時で帰れる仕事ではなく、繁忙期と比較的落ち着いた時期の波がある、周期的な働き方になると理解しておくのが現実的です。重要なのは、後述するような柔軟な働き方や支え合う文化が、その波を乗り越えるためのセーフティネットとして機能している点です。

Q: リモートワークやフレックスタイムといった柔軟な働き方は、どの程度浸透していますか?

EYSCでは、柔軟な働き方が単なる制度として存在するだけでなく、企業文化として深く根付いています。同社は「EYフレリモ・両立支援・Well-being」を3つの柱として掲げ、多様なバックグラウンドを持つメンバーが自律的に働き方をデザインできる環境を推進しています。

特にリモートワークは広く浸透しており、入社後の新人研修ですらフルリモートで行われたという声もあるほどです。これは、EYSCがコロナ禍以降の新しい働き方に完全に対応していることを示しています。従業員にとっては、通勤時間の削減やプライベートとの両立といった大きなメリットがある一方で、リモート環境でもチームとの連携を密にし、高い生産性を維持するための自律的な姿勢と積極的なコミュニケーションが求められることも意味します。

Q: 社内のカルチャーや雰囲気はどのような感じですか?

EYSCの企業文化は、多くの社員によって一貫してポジティブに語られています。これは、激しい競争環境にあるコンサルティング業界において、特筆すべき強みです。

協力的で、支え合う文化
個人の成果を競い合うというよりも、チームで協力してお互いをサポートする風土が強いとされています。社内には「穏やかな人が多い」という評価があり 、いわゆる「Up or Out(昇進か、さもなくば退職か)」のような厳しいカルチャーとは一線を画しています。

多様性とインクルージョン
性別や国籍を問わず、多様な人材が活躍していることがデータでも示されています(例:管理職の女性比率35%)。社内のコミュニケーションで英語が日常的に使われる場面も多く、グローバルな環境が醸成されています。

成長を促す文化
多忙なプロジェクトの中でも、上司や先輩が「手厚い指導」を行ってくれる文化があります。若手のうちから裁量の大きい仕事を任される機会も多く、挑戦を通じて成長できる環境が整っています。

「穏やかで協力的」な文化と、「高い裁量と成長機会」が両立している点は、EYSCのカルチャーの最大の特徴と言えます。これは、失敗を恐れずに挑戦できる「心理的安全性」が高い職場環境であることを示唆しています。厳しい仕事の中にも、人間的な温かさやサポートを求める候補者にとって、EYSCは非常に魅力的な選択肢となるはずです。このカルチャーこそが、同社のパーパスである「Building a better working world」を社内から実践している証左なのかもしれません。

 

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アーンスト・アンド・ヤングのメンバーファーム。
世界150カ国以上の国々に25万人以上のメンバーを持つEYのグローバルネットワークは大きな武器。グローバルで培われた様々な知見を活かせるほか、海外展開を考える日本企業や日本市場に参入する海外企業のプロジェクトなどクロスボーダー案件にも多数対応。財務プロセス改革から全社的コスト削減支援、サプライチェーン最適化といった財務・業務改革の分野で、クライアントの攻めの経営を支援する幅広いアドバイザリーサービスを提供しています。

 

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